奈良市議会 > 2018-06-14 >
06月14日-02号

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  1. 奈良市議会 2018-06-14
    06月14日-02号


    取得元: 奈良市議会公式サイト
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    平成30年  6月 定例会平成30年奈良市議会6月定例会会議録(第2号)-----------------------------------   平成30年6月14日(木曜日)午前10時0分開議----------------------------------- 議事日程  日程第1 議案第66号 市長専決処分の報告及び承認を求めることについて       議案第67号 平成30年度奈良市一般会計補正予算(第1号)       議案第68号 奈良市附属機関設置条例の一部改正について       議案第69号 奈良市いじめ防止連絡協議会条例の制定について       議案第70号 奈良市手数料条例の一部改正について       議案第71号 奈良市税条例等の一部改正について       議案第72号 奈良市特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業の運営に関する基準を定める条例等の一部改正について       議案第73号 奈良市旅館業法施行条例の一部改正について       議案第74号 奈良市消防団員等公務災害補償条例の一部改正について       議案第75号 奈良市病院事業の設置等に関する条例の一部改正について       議案第76号 財産の取得について       議案第77号 工事請負契約の締結について       議案第78号 町の区域等の変更について       議案第81号 工事請負契約の一部変更について       諮問第1号 使用料の徴収等に関する処分についての審査請求に係る諮問について----------------------------------- 本日の会議に付した事件  第1、報告 議会運営委員会の委員の選任報告について  第2、日程に同じ----------------------------------- 出席議員(38名)  1番 道端孝治君      2番 塚本 勝君  3番 樋口清二郎君     4番 山出哲史君  5番 林 政行君      6番 松下幸治君  7番 阪本美知子君     8番 山本直子君  9番 白川健太郎君     10番 山本憲宥君  11番 太田晃司君      12番 階戸幸一君  13番 横井雄一君      14番 宮池 明君  15番 早田哲朗君      16番 三橋和史君  17番 大西淳文君      18番 柿本元気君  19番 酒井孝江君      20番 山口裕司君  21番 北村拓哉君      22番 八尾俊宏君  23番 東久保耕也君     24番 内藤智司君  25番 植村佳史君      26番 藤田幸代君  27番 田畑日佐恵君     28番 九里雄二君  29番 三浦教次君      30番 松石聖一君  31番 鍵田美智子君     32番 井上昌弘君  34番 森田一成君      35番 土田敏朗君  36番 北 良晃君      37番 中西吉日出君  38番 伊藤 剛君      39番 森岡弘之君 欠席議員(1名)  33番 松岡克彦君----------------------------------- 説明のため出席した者  市長       仲川元庸君   副市長      津山恭之君  副市長      向井政彦君   危機管理監    西岡光治君  総合政策部長   染谷禎章君   総務部長     吉村啓信君  財務部長     辻井 淳君   市民生活部長   川尻 茂君  市民活動部長   園部龍弥君   福祉部長     堀川育子君  子ども未来部長  真銅正宣君   健康医療部長   佐藤敏行君  環境部長     奥田晴久君   観光経済部長   梅森義弘君  都市整備部長   岡本善昭君   建設部長     杉野高広君  会計契約部長   中西寿人君   企業局長     池田 修君  消防局長     藤村正弘君   教育長      中室雄俊君  教育総務部長   尾崎勝彦君   学校教育部長   北谷雅人君  監査委員     東口喜代一君  総合政策課長   上南善嗣君  財政課長     小西啓詞君----------------------------------- 事務局職員出席者  事務局長     梶 正樹    事務局次長    小川祐弘  議会総務課長   中谷陽子    議事調査課長   島岡佳彦  議事調査課長補佐 秋田良久    議事係長     石丸元太郎  調査係長     岡本欣之    議事調査課書記  美並彰悟-----------------------------------   午前10時0分 開議 ○議長(北良晃君) 休会前に引き続き、会議を開きます。----------------------------------- △報告 議会運営委員会の委員の選任報告について ○議長(北良晃君) 私より御報告申し上げます。 去る6月11日付で37番中西君を議会運営委員会の委員に選任いたしました。----------------------------------- △日程第1 議案第66号 市長専決処分の報告及び承認を求めることについて 外14件(質疑並びに一般質問) ○議長(北良晃君) 日程に入ります。 日程第1、議案第66号 市長専決処分の報告及び承認を求めることについてより議案第78号までの13議案、議案第81号 工事請負契約の一部変更について及び諮問第1号 使用料の徴収等に関する処分についての審査請求に係る諮問について、以上15件を一括して議題といたします。 本件につきましては、既に去る11日の本会議において、市長より説明を受けておりますので、これより質疑並びに一般質問を行います。 通告がございますので、発言を許します。 まず、代表質問を行います。 1番道端君。   (1番 道端孝治君 登壇) ◆1番(道端孝治君) おはようございます。自民党の道端孝治でございます。 今議会最初の代表質問となります。皆様よろしくお願い申し上げます。 会派を代表し、通告させていただいた事項について、市長並びに教育長に質問させていただきます。 まず、社会資本整備総合交付金について、数点市長にお尋ねします。 社会資本整備総合交付金は、国土交通省所管地方公共団体向け個別補助金を一つの交付金に原則一括し、地方公共団体にとって自由度が高く、創意工夫を生かせる総合的な使い勝手のよい交付金として平成22年度に創設されました。 本市におきましても、交付金に係る事業は、市の単独事業だけでなく、県との連携事業も含めて整備計画を策定し、国に対して交付金要求をしております。しかしながら、近年において、要望に対する内示率や当初予算に対する内示率が県外のみならず、県内の他の自治体と比較しても低い点を指摘させていただき、我が会派として幾度となく市長に内示率向上についての質問をさせていただきました。 特に今年度は、大和西大寺駅周辺事業や市道北部第806号線--旧奈良少年刑務所アクセス道路整備事業など本市にとって重要な事業についての交付金獲得が喫緊の課題となり、我が会派といたしましても、交付金の財源支援の充実のため、国土交通省を初め関係機関に出向いたところでもあります。 そして、また、市長もみずから国へ出向くなどして努力していただいたとお伺いしておりますが、そこでお聞きします。 まず1点目として、今回の社会資本整備総合交付金の内示を受けての市長の見解をお聞かせください。 2点目として、内示率の低かった事業、ゼロ回答だった事業についての今年度の取り組み方についてお聞かせください。 過去の委員会で、副市長の、庁内一体となりまして、さらに効果的な要望活動、そのための窓口設置もその一案かと思いますとの答弁や、前回の総務委員会での財務部長の、国費による財源確保を再度要請、国・県と協議し、国の予算措置についての情報収集に努めるとの答弁もありました。これらについて今後具体的にどのようにされるのかお聞かせください。 次に、クリーンセンター建設計画について、市長にお聞きします。 仲川市長は、再選されてから間もなく1年になりますが、この計画に一体どのような進捗があったのでしょうか。 市長は、東里地区への移転計画を取りやめて、広域化や現地建てかえなどあらゆる手法によりクリーンセンター問題の解決を進める、加速させますとして、この1年間取り組まれてきたようですが、どのような成果が上がっているのか私は大変疑問に思っております。 先日、4月17日のことになりますが、奈良市自治連合会が主催する地域ミーティング、これは昨年の市長の再選後からは、各自治連合会単独ではなく、地区をブロック分けし、複数の自治連合会を1つの単位として行うようになったのですが、その地元開催に私も地域の地縁団体の1人として出席させていただきました。 開会の挨拶の後、最初に仲川市長による市政と奈良市の未来についてという表題でのプレゼンテーションがありました。しかし、そのプレゼンテーションの中では、奈良市の最重要課題とされているクリーンセンターの問題、新斎苑の問題、そして、今話題になっている庁舎耐震化問題についての言及はほとんどなく、また、当日配付された資料にもこれらについての記述は一切ありませんでした。 会場がほぼ満員になるほど各地域の地縁団体の代表者が一堂に会している中での市長のこのような姿勢は、本当にこれらの最重要課題に率先して取り組む決意があるのか、市民の声をすくい上げる気持ちはあるのかと大きな疑問を覚えた次第であります。 そうしたことから数点市長にお考えをお聞きします。 1点目として、クリーンセンターについて、市長は、昨年再選されてからこの問題の解決を加速させるとされていましたが、成果が見えてきません。この1年間の取り組みを見ていると、市長のクリーンセンター建設計画に対する姿勢がトーンダウンしているのではないかと感じているが、市長のお考えをお聞かせください。 2問目として、クリーンセンター建設計画の現在の取り組みについてお聞きします。 3問目として、これまでクリーンセンター移転建設に向けて審議を重ねてこられた奈良市クリーンセンター建設計画策定委員会についてお聞きします。 昨年の9月の定例会において他の会派からの質問に対して、策定委員会につきましては、重要であると認識しており、今後、進捗状況も含め、適宜報告、協議を進めると答弁されていました。しかしながら、この1年間委員会を開催されていないとお聞きしております。クリーンセンターの問題の今後を見据え、策定委員会をどうするつもりなのか、今後のあり方についてどう考えておられるのかお答えください。 次に、新斎苑建設事業についてお聞きします。 3月の定例会での議決を経て、西側の土地も合わせて移転登記が完了し、また、事業者とも工事請負契約を済ませた新斎苑建設事業ですが、当初は禁止するとしていた地域内への工事車両の進入を可能にするなど、当初の計画にはなかった事案を当該地域に何の説明もなく変更された結果、地域住民から強い憤りを受け、予定地での建設工事着工のめどがいまだ立っていない現状を踏まえて数点お伺いします。 1問目として、現在の進捗状況と課題、また、その課題に向けた取り組みについてどのように考えているのかお聞かせください。 2問目として、鹿野園町の住民の反対で事前調査もできず、事業者による工事が進んでいないのが現状であると聞いております。担当課は、鹿野園町や関係自治会との事務レベルの協議はされているようですが、順調でないと思われます。やはり市長みずから関係自治会へ足を運んでいただき、地元説明会などに真摯な姿勢で出席し、まず地元住民から着工についての了解を得るべきではないか、その点についてのお考えをお聞かせください。 3点目として、鹿野園町の防災対策についてお答えください。 地域の要望を受け、当該地区に対して防災対策を作成するため、本市による現地調査が行われました。一般的に防災対策については、市はソフト対策を行い、砂防などのハード対策については、国や県の所管であると言われております。 市が考えている西側山林を含めた鹿野園町の防災対策について、本来なら国や県の施策として行われるハード対策についても、市独自で実施される考えはあるのかお答えください。 4点目として、地権者との価格交渉の過程はどのようなものだったのか、3月定例会ではお答えできなかった部分も含めてお聞かせください。 5点目として、本国会において合併特例債の延長が決まりましたが、新斎苑事業への影響はあるのか、現状で工事が進んでいないことから工期の延長を見込んでいるのかあわせてお答えください。 次に、本庁舎の耐震化基本構想について数点お聞きします。 平成28年4月に発生した熊本地震では、その破壊力と甚大な被害を目の当たりにしました。特に注目させられたのは、多くの庁舎が被災し、役所としての機能不全に至り、行政サービスのストップどころか、避難所としても機能しなくなり、混乱を招いたことでした。 改めて災害時における行政機能維持の重要さを痛感し、本市においても本庁舎の旧耐震基準で建築された中央棟、東棟、西棟への早急な対策の必要性を再認識したのは言うまでもありません。 本市におきましては、平成27年度に実施した本庁舎の耐震診断の結果、大地震の際に甚大な損傷が発生するおそれがあることが確認され、平成28年6月に奈良市本庁舎耐震化整備検討委員会が設置され、本庁舎耐震整備手法を検討した結果、建てかえではなく、耐震改修の実施が最善だとの報告を受け、5月に奈良市本庁舎耐震化基本構想が発表され、現在に至っております。 また、タイミング的には同時期ではありますが、本庁舎向かいに建設されているJWマリオットホテルを中心とした新しいまちづくりの一環として、大地震が起きても市役所としての機能が維持でき、なおかつこれからの市民ニーズに応えられるよう本庁舎の建てかえを求める声も出てきております。 我が会派は、一貫して耐震化ありきで進めるのではなく、新しいまちづくりの観点、老朽化した庁舎への耐震化に対するコストパフォーマンスの観点からも建てかえを選択肢とするよう意見を申し述べてまいりました。 改めて、いま一度市長にお伺いします。 1点目として、大地震などの災害時における本庁舎のあるべき姿、また、今回の本庁舎耐震化の目的についてお聞かせください。 2点目として、市長は、自分自身のブログにおいて、耐震化には多額の予算がかかることから、専門家だけではなく市民の皆さんからも十分意見を伺いながら、長期的な視点に立ち早急に対応策を検討したいと書かれております。 今回の奈良市本庁舎耐震化基本構想において、市民の皆さんの意見をどのように伺ったのかお聞かせください。 3点目として、耐震化基本構想における本庁舎耐震化後のIs値、これは耐震性能に大きくかかわる要素を総合的に判断する指標として使われている数値ですが、このIs値は、0.76から0.8がほとんどでございます。これは、耐震化の最低基準であるIs値0.6という数値に建物の用途によって割り増しされる重要度係数1.25を掛けた結果であると推測されます。 本庁舎の耐震化において、その建物の用途によって割り増しされる重要度係数を1.25にされた根拠、また、それによって庁舎耐震化の目的が担保されるのかについてお答えください。 4点目として、耐震化とは別に免震化の選択もあったかと考えます。現にはぐくみセンターや奈良市立病院などの本館など新しく建築された施設は、耐震構造ではなく免震構造になっております。熊本地震においても、免震構造の建物は期待どおりの性能を発揮したとお聞きしています。免震化を採択しなかった理由をお聞かせください。 次に、土砂災害特別警戒区域の件についてお聞きします。 奈良帝塚山地区土砂災害警戒区域、以前から土砂災害警戒区域に指定されていた当該区域は、その区域内に富雄第三小中学校、富雄第三幼稚園、黒谷公園、そして数十戸の住宅が存在することから、地域住民の不安が募り、改めて県に基礎調査の依頼をした結果、富雄第三幼稚園、黒谷公園の一部と十数軒の住宅が土砂災害特別警戒区域にかかることが判明し、その基礎調査の結果として公表され、地域住民や幼稚園児の保護者の不安が払拭されないまま現在に至っております。 これらのことを踏まえて市長にお聞きします。 1点目として、先ほども申しましたが、2年前に奈良県が行った当該区域の基礎調査の結果は公表されましたが、その後の土砂災害特別警戒区域の指定などの具体的な動きがないようですが、奈良帝塚山地区の当該区域についての現状の認識について、土砂災害防止法の観点及び砂防三法の観点からお答えください。 2点目として、これも1点目と同様、土砂災害防止法の観点及び砂防三法の観点からも、市長名で県へ当該地域での砂防施設などのハード対策の実施の要望書の提出の考えについてお聞かせください。 3点目として、当該区域に対して過去の答弁では、ソフト対策は市が、ハード対策は県の管轄だとありました。本来なら県が行う砂防対策などのハード対策を本市独自の財源で行う考えがあるのかについてお答えください。 4点目として、他の自治体では、土砂災害特別警戒区域の住宅等の補強対策に対して、国の施策である住宅・建築物安全ストック形成事業に基づく補助金制度を設けております。本市において、この補助金制度の創設についてのお考えをお聞かせください。 次に、一条高校の今後について、教育長にお伺いいたします。 ことしの4月に奈良県教育委員会が将来の少子化を見据え、県立高等学校の統合など、再編に乗り出す方針を打ち出しました。私も母校が過去の再編計画により学校名がなくなってしまい、卒業生として大変悲しい思いを経験したことがありますので、今回の具体的な計画の中身がどのようになるのか気になっていたのですが、先週の金曜日、6月8日に行われた奈良県の総合教育会議県立高等学校再編計画が議論され、県立高等学校の再編計画案が示されました。この計画では、県立高校の7校を再編統合し、現在の33校から30校にされるとされています。 そこで、教育長に数点お尋ねします。 1点目として、奈良県北部地域の県立高校が再編によりどのような状況になるのかお答えください。 2点目として、この計画の中では、奈良県北部の3つの高校が2つに再編され、それぞれ特色のある高校になるということはわかりました。しかし、これは、学校数が1つ減るということです。この点について市の考えをお聞かせください。 3点目として、今回このように県立高校の再編計画が示されたわけですが、同じく県北部にある一条高校にも今後影響が及ぶことは想像できます。これからの一条高校についてどのようにお考えですか、お答えください。 以上で1問目とさせていただきます。 ○議長(北良晃君) 市長。   (市長 仲川元庸君 登壇) ◎市長(仲川元庸君) おはようございます。 ただいまの道端議員からの御質問にお答え申し上げます。 まず初めに、社会資本整備総合交付金についての御質問でございます。 今年度の社会資本整備総合交付金の内示状況につきましては、本市の要望額に対する内示率としては35.28%であり、前年度の平成29年度の29.94%に対しては5.34ポイント改善をいたしている状況でございます。 事業別に見ますと、大和中央道や六条奈良阪線などの路線が含まれる整備計画の内示率が7.09%であるなど、道路・街路事業の内示率が低い傾向となっており、引き続き厳しい内示率であると認識いたしております。 次に、今後の取り組みについてでありますが、内示後、少しでも要望事業の進捗を図るために、私自身、国に対して市の事業に影響が出ないよう国費による財源確保を再度要請し、事務レベルにおきましても国・県と協議を続けさせていただいております。 今後の同交付金獲得に向けての取り組みといたしましては、県選出の国会議員の先生方の協力も得ながら、国交省への働きかけを引き続き行うとともに、事務レベルにおきましても日常的に国の予算措置についての情報収集に努め、国の補正予算が示されれば直ちに実施ができる事業を洗い出しておくなど、準備や体制づくりに努めてまいりたいと考えております。 続きまして、クリーンセンターについての御質問でございます。 計画の進捗がトーンダウンしているのではないかという御質問でございます。 現環境清美工場が老朽化しており、新しいクリーンセンターの建設に一刻の猶予もないということは周知の事実でございます。そのために広域化や現地建てかえも含め、あらゆる手法でこの問題の解決を加速することにつきましては、この姿勢に変わりはございません。 この課題は、全てが見える形で進めていくということがなかなか難しいものでもございますが、決して手を緩めているということではございません。今後も新しいクリーンセンターの建設を本市の最重要課題と位置づけ、積極的に取り組みを進めてまいりたいと考えております。 次に、現在の取り組み状況ということでございますが、ごみ処理の広域化について奈良県の北部地域の5市町の枠組みによります合同勉強会を先日スタートさせていただきました。その中では、本市が、いわゆる事務局機能、中心的な役割を担っていくこととさせていただきました。 広域化におきましては、建設候補地の選定が、やはり最大の課題でございますので、本市がその責任を果たすことが、やはり重要であると認識いたしまして、現在さまざまな角度から候補地の検討を行わせていただいております。 一方で、現地の建てかえということにつきましては、担当の部署におきまして、左京地区の公害調停申請人の方々への個別訪問を実施させていただきまして、現地でのさまざまな御意見をお伺いすることができました。 今後もさらに多くの地域住民の皆様方との意見交換を継続してまいりたいと考えております。 次に、策定委員会についてでございますけれども、御指摘のように、昨年の5月以降は策定委員会は開催してございませんが、委員の方々との意見交換には努めており、今後も必要に応じ市からの状況報告を含め、適宜開催をお願いしてまいりたいと考えております。 あわせまして、市がこの事業に対しまして、主体的に事業を進めていくための枠組みといたしまして、庁内にクリーンセンター建設に関する庁内調整会議というものを設け、全庁的に事業の推進を図ってまいりたいと考えております。 続きまして、新斎苑についての御質問でございます。 現在の進捗状況とその課題ということでございますが、新斎苑建設事業につきましては、平成33年3月末の竣工を目指し、この6月末から工事の事前調査を実施し、その後工事に着手していく予定でございます。 現在、既に環境影響調査に着手しており、6月末から実施する工事の事前調査などに係る許認可申請手続を関係機関と進めております。 鹿野園町の対策協議会からの県道奈良名張線からの市道を鉢伏街道につながないことという御要望や新斎苑施設と鉢伏街道をつながない、また、防災対策を行うべきということなどの要望については、既に計画変更も含め対応いたしているところでございます。 また、この事業を契機として地域の課題解決のために多くの地元の御要望もいただいているところでございますので、新斎苑担当課はもちろん、防災対策や地域活性化対策などに関係する庁内の関係部局も含めて、地元と協議を重ねさせていただいているところであります。 対策協議会から提起されております新斎苑建設工事に伴う鉢伏街道の東側の工事車両の通行についての御懸念につきましては、市といたしましては、本橋架橋までの限られた通行期間とし、さらに、工事車両につきましても極力減らすとともに、必要な交通対策を行うことで安全、確実な事業の進捗に努めてまいりたいと考えております。 次に、地元との交渉についてでありますけれども、鹿野園町の皆様方には、長年の懸案でありました新斎苑を近隣地域として受け入れていただくということから、協議を重ね、事業への理解に伴い、可能な限り地元の活性化に向けての取り組みも市としてしっかりと対応していきたいと考えております。 この間の地元との協議、調整の流れでございますけれども、事務レベルでの協議を断続的に重ねる中で、一定の理解を深めているところであり、先日は、部長、そしてまた、6月に入ってからは副市長も交えて対策協議会とこの鉢伏街道東側の工事車両の通行を中心に議論させていただいております。その後、私も含めまして、事業者も合わせて三者で協議を行う予定をいたしております。当然これには私も出席をする予定でございます。また、地域の住民の皆様方全体を対象にした説明会も近日中に開催をする予定でございまして、それを踏まえまして工事に着工していきたいと考えているところでございます。 続きまして、西側の山林の防災対策についての御質問でございます。 これまで計画地及び周辺地域に対して、土砂災害等の懸念に対する調査など各種の事前調査を行ってきたところでございます。その調査結果につきましては、京都大学の有識者からも御意見をいただき、第三者評価としてこの事業を進めることによって、従来からある地域の防災リスクが高まることはないという御意見をいただいているところであります。 一方で、地元の皆様方からは、これまでの地元の災害などに対する不安の払拭や対策を求めるお声もいただいておりますことから、今後も引き続きモニタリングを継続し、市が責任を持って防災対策を行っていこうと考えているところであります。 行政間での事業のすみ分けにつきましては、必要に応じ柔軟に対応していく必要があろうと考えております。 続きまして、地権者との価格の交渉過程についての御質問でございます。 これにつきましては、事前調査に係る調整を初めとしたさまざまな機会で職員が伺い、用地買収について地権者と話し合いを進めてきたところでございます。そして、一定程度その交渉がまとまった中で、私や副市長も直接お会いをさせていただきまして、合理的かつ最少の経費で用地を取得させていただけるように近隣での公共事例、公共事業での買収事例、また鑑定価格などをもとといたしまして、市の考え方を地権者の方に御説明を申し上げ、御理解をいただけるよう適正な手順を経て、協議、交渉を行ってきたものでございます。 次に、合併特例債の延長に伴う事業への影響でございますけれども、この特例債につきましては、近年の相次ぐ大規模災害や全国的な建設需要の増大などから、合併市町村などにおきまして事業の実施に支障が生じたこともあり、本市も参加いたしております合併特例債の再延長を求める首長会を通じて期限の延長について要望してきたものであります。ようやく本年4月18日の参議院本会議におきまして、東日本大震災に伴う合併市町村に係る地方債の特例に関する法律の一部を改正する法律案が全会一致で可決され、成立されましたことから、平成37年度末までその発行期限が延長されたところでございます。 一方で、本市といたしましては、この新斎苑事業につきましては、やはり現施設のございます白毫寺町の皆様との合意書がございますことから、やはり平成33年3月末までに竣工し、明けての4月からの供用を目指し、進めてまいりたいと引き続き考えているところでございます。 続きまして、庁舎の耐震化についての御質問でございます。 この大地震などの災害時における本庁舎のあるべき姿、また、本庁舎耐震化の目的についての御質問でございますが、やはりいざというときの防災拠点として機能するということが本庁舎に求められる大きな役割だと考えております。 今回の本庁舎耐震化の目的につきましては、その意味におきましても災害発生時における、まずは在庁者の安全確保とあわせまして、やはり市民の安全を守るための災害時の防災拠点としての役割をしっかりと果たしていくことが重要だと考えております。 大地震が発災した際にも、庁舎に大きな補修をすることなく使用に耐えられるだけの耐震性能を持たせることが重要だと考えております。 次に、市民の声をどのように聞くのかということでございますが、今回の奈良市本庁舎耐震化基本構想の策定に当たりましては、パブリックコメントは行ってございません。これは、今回の基本構想は主に耐震補強の工法の、いわゆる技術的な部分に特化をした策定であったからでございます。 一方で、やはり来庁をいただきます市民の皆様の声は重要でございますので、今後予定いたしております窓口の改善などによります本庁舎の機能の向上という部分につきましては、市民の皆様にもやはり直接利用にかかわるところでもございますので、広く御意見を求めてまいりたいと考えております。 次に、いわゆる重要度係数を1.25にした根拠についてということでございますが、本庁舎の耐震補強につきましては、耐震の安全性の目標を重要度係数は1.25、目標耐震性能は0.75といたしております。これは、国土交通省の官庁施設の総合耐震計画基準に準じたものでございます。 この基準におきましては、一般官庁施設は、重要度係数は1.0、目標耐震性能は0.6でございますが、我々の本庁舎につきましては、防災拠点として大地震に際しても大きな補修をすることなく庁舎を使い続けられるということが重要でございますので、在庁者の人命の安全確保とあわせ、庁舎機能の確保もあわせて実現していく必要がございますことから、一段上の安全性の目標を設定させていただいている次第であります。 次に、免震化という方法を採択しなかったのはなぜかという御質問でございます。 免震工法で耐震化を図ることにつきましては、いながら工事の実現、また、執務環境の維持を可能にすることから、基本構想の策定におきまして検討させていただきました。 しかしながら、新築ではなく、耐震補強において既存建物に免震構造を導入する場合には、配管の引き込み、また、建物の揺れ幅に応じたクリアランスの確保など現状の条件や工期、それからコストの問題も当然ございまして、最終的には耐震補強において免震工法は採用されなかったところでございます。 続きまして、帝塚山地区の土砂災害特別警戒区域に関する御質問でございます。 まず、この当該地域において現状認識をどのように持っているかということであります。 帝塚山地区につきましては、平成20年6月に土砂災害警戒区域、いわゆるイエローゾーンに指定されまして、その後の基礎調査により土砂災害特別警戒区域、いわゆるレッドゾーンに指定されることが判明したところでございます。 レッドゾーンに指定されますと、社会福祉施設や病院、幼稚園などの要配慮者利用施設の開発行為に県知事の許可が必要になるなどの一定の開発行為の制限がかかるわけでございます。また、指定された後、土砂災害砂防三法による指定、それから、災害発生源の規制と対策工事、いわゆるハード対策を行うこととなります。 現在は、土砂災害防止法によりまして、ソフト対策として要配慮者施設の所管課への指定状況等の情報提供、また、関係課に対しての土砂災害警戒区域など説明会の実施、地域の自主防災・防犯組織への周知や避難ルートの確認、地域ミーティングにおいての意見、要望の把握、課題についての対応を行ってもきているところであり、市としてもこの問題は防災上重要な地域であると認識いたしております。 続きまして、それらの認識を踏まえた上で、県に対してハード対策を求める声を上げるべきだということにつきまして、危機管理課におきましては、従前より県の実施いたします土砂災害警戒区域のハード対策に関するアンケートやヒアリングに対しまして、当該対策工事の必要性を訴え、優先順位の上位地域として要望してきたところでございます。 今後につきましては、県に対して早期に土砂災害特別警戒区域の区域指定、そして、対策工事の実施、これを要望書を通して求めてまいりたいと考えております。 また、市が独自の財源でハード対策を行う考えがないのかという御指摘でございますが、砂防堰堤の建設などのハード対策につきましては、土砂災害特別警戒区域に指定された後、砂防三法に基づき県が実施をすることとなっておりますことから、市単独での実施は困難なものだと考えております。 続きまして、住宅・建築物安全ストック形成事業に基づく補助金を創設する考えがないかということでございますが、近年土砂災害により重大な被害が発生している中におきまして、平成26年8月には広島市で土砂災害が発生し、これを契機に平成27年2月に国土交通省が土砂災害に対する支援制度を創設されました。 これを受けまして、県では平成29年4月1日付で奈良県建築物土砂災害対策改修促進事業補助金交付要綱を制定し、県下の市町村に通知されたところでございます。 土砂災害特別警戒区域内の既存不適格建築物の土砂災害対策改修に対する支援を行うことによりまして、建築物の安全性を確保し、また、市民の生命、財産を守るために奈良市においても住宅・建築物安全ストック形成事業の補助金制度を活用するために、今年度に補助金の交付要綱を作成してまいりたいと考えているところでございます。 以上でございます。 ○議長(北良晃君) 教育長。   (教育長 中室雄俊君 登壇) ◎教育長(中室雄俊君) 道端議員の代表質問にお答えを申し上げます。 まず、県立高校の再編計画における県北部の状況についてでございますが、今回の県北部の県立高校の再編計画では、平城高校と登美ヶ丘高校、西の京高校の3つの学校を2つに再編し、それぞれの学校に特色を持たせるという計画になっております。 そのうちの1つの学校は、仮称県立国際高等学校として海外での大学入試の資格が得られる教育プログラムである国際バカロレア認定を目指し、そこに県立中学校を併設するという計画になっております。 もう1つの学校は、仮称奈良県立大学附属高等学校として地域づくりに関する学科を設置するという計画になっております。 また、教育内容や校名の見直し等を行い、奈良朱雀高校を仮称県立奈良商工高等学校に、高円高校を仮称県立芸術高等学校にするという計画になっております。そして、奈良北高校は、大学等と連携をし、高度な情報に関する学科等を設置するという計画になっております。 次に、県立高校の再編計画において、各校の特色を出しながら、一方で学校数が減少することについてでございますが、今回の再編計画の背景には、奈良県の10歳から14歳の人口が、2040年には2020年の68%程度にまで減少するという少子化の予測や、時代の進展、環境の変化がございます。 そこで、県立高校においては、このような少子化、さらに、保護者や生徒の多様なニーズに対応できるように、県下全域において学校再編と教育内容の再編成を行おうとする計画であるというふうに認識をいたしております。 続きまして、県北部にある一条高等学校の今後についてということでございますが、現在、教育委員会事務局内で議論をしているところでございます。具体的には、県立高校と同じように生徒数の推移を見据えながら、これから一条高校が行う教育内容について、学校とともに検討しているところでございます。 今後も一条高校で行う教育について、奈良市の中学生や保護者が一条高校で学びたい、学ばせたいと思うような学校、そして、市民にとっても奈良市の誇りに思えるような一条高校を目指して検討を進めてまいりたいと、このように考えておるところでございます。 以上でございます。 ○議長(北良晃君) 1番道端君。 ◆1番(道端孝治君) 2問目は自席より、耐震化計画について再質問させていただきます。 本市の耐震化の目標は、災害時の防災拠点となる本庁舎に対して、大地震の際にも庁舎に大きな補修をすることなく使用できるだけの耐震性能を持たせるとの答弁でした。 ここでは、細かい説明は省略させていただきますが、国は、建物の耐震安全性の目標をレベルの高い順からⅠ類、Ⅱ類、Ⅲ類と分類しています。本市の目標である災害時の防災拠点となる本庁舎に対して、大地震の際にも庁舎に大きな補修をすることなく使用できるだけの耐震性能を持たせること、このレベルはⅡ類に分類されております。 しかし、国はもちろんのこと、多くの自治体は、みずからの重要な施設の耐震化に対しては、最高レベルのⅠ類を目標としております。これは、本市よりも他の自治体はもう一段上の耐震目標を設定しているということです。言いかえれば、37億円もの巨費を投じても、他の自治体と比較しても一段低いレベルの耐震化ということです。 そこでお聞きします。 本市における建物の耐震安全性の分類と目標の考え、また、本市所有また管理する公共建築物の中で、この最高レベルのⅠ類に分類されるものはどのように想定されていますか、お答えください。 以上で2問目を終わります。 ○議長(北良晃君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) 2問目は自席からお答え申し上げます。 本庁舎の耐震化に際しまして、どの程度の耐震度合いで臨むべきかという趣旨の御質問でございます。 建築物の耐震安全性の分類と目標の考え方につきましては、建築基準法施行令における新耐震化基準をもとに、個々の公共施設の状況に応じて耐震安全性の目標を定めております。 本市におきましては、Ⅰ類に分類される、いわゆる重要度係数1.5に相当するものといたしましては、議員からも御指摘のありました市立奈良病院の本館、また保健所・教育総合センター、これらがいわゆるⅠ類でございます。 そして、今回の本庁舎の耐震化に当たりましては、Ⅱ類で設定をさせていただいておりますけれども、このⅡ類の1.25という数字でも大地震によって本庁舎に甚大な損傷を負うことはないものだと考えております。 免震構造で建てかえをする場合には、この1.5、最高レベル相当の耐震性能が得られるものだと考えておりますけれども、一方で、既に耐用年数が、一般論から申し上げれば、あと約二十数年ということでもございますので、どの程度まで費用をかけて残りの耐用を迎えるべきかという議論があろうかと思っております。 そういった中におきまして、残り二十数年という耐用年数の中で1.25という形で在庁者の安全を確保した上で、特に大きく庁舎スペースを減らすことなく耐震化が図れるということを考えると、いわゆる建てかえをするという抜本的な対策よりも、一定の耐震性が得られる取り組みが合理性があるだろうと考えております。 また一方で、大きな、大規模な地震などが発災した際に、本庁舎に何らかの損傷が生じた場合には、防災拠点としての本庁舎機能を保健所・教育総合センター、また、本庁舎以外の出張所などとも連携を図っていくことが重要だと考えております。 ○議長(北良晃君) 1番道端君。 ◆1番(道端孝治君) 3問目は、意見及び要望とさせていただきます。 まず、社会資本整備総合交付金についてでございます。 大和西大寺駅周辺事業や市道北部第806号線を初めとする本市の社会資本整備計画の推進に当たりましては、言うまでもなく社会資本整備総合交付金は欠かすことのできない財源となっているわけでありますが、それは同じく他の自治体にとっても、社会資本整備総合交付金は欠かすことのできない財源であるというのは容易に想像できます。 単独事業として国に要望しているもの、市の事業を県が取りまとめして一括して国に要望するものなど違いがありますが、いかにその事業の必要性、重要性を国や県に訴え、理解してもらい、他の自治体の事業よりも優先順位を上げてもらわなければなりません。 今年度の内容については、全体としての内示率は上がりましたが、私たちが危惧していたとおり市道北部第806号線のあおりを受けた形で、他の道路整備事業の内示額に影響が出てしまった点については、しっかりとその内容を分析していただきたいと思います。 そして、市長みずから先頭に立っていただき、今まで以上に知恵を出し、国とのパイプ、県とのパイプをフル活用してさらなる情報収集をしていただき、交付金確保に努めていただくよう要望させていただきます。 クリーンセンター建設についてでございます。 クリーンセンター問題の解決を加速させます--市長、加速です。加速というのは、スピードが上がっていくことです。広域化のことで少しは進んでいる、変化があったとの答弁ですが、広域化の可能性を検討することは、現工場の老朽化の現状を踏まえれば余りにも時間がかかり過ぎて現実的ではありません。 そもそも広域化は、クリーンセンター建設の問題ではなく、ごみ行政に対する政策の問題であって、本来の問題である、どこに建設するかという場所の議論については全く進捗がないと言わざるを得ません。加速どころかとまったままです。市長、動いてください。現クリーンセンターの現状を認識されているのならなおさらです。 新たに、市が主体性を持って建設計画の推進を図る、クリーンセンター建設に関する庁内調整会議を設けるとのことですが、奈良市クリーンセンター建設計画策定委員会との関係性などもしっかりと整理していただき、課題解決にきちんと機能する庁内会議にしていただきたいと思います。 いずれにせよ、このクリーンセンター問題を市長の最優先課題として、1日でも早く新しいクリーンセンターの建設が進むよう取り組んでいただくことを強く要望します。 次に、新斎苑建設についてでございます。 地元住民の皆さんとの協議が前向きに進まないのは、本市の考えや仲川市長の言葉が地域の皆さんに信用されていないからではないでしょうか。信用されていない状況で、幾ら副市長や担当部課長が協議をしても不信感が募るだけでございます。市長みずから地域に出向き、地域住民と向き合い、きちんと対話を交わして信用してもらうよう、まず努力をしてください。 互いに信用し合う、そういった信頼関係が結べて初めて、市ができること、できないこと、地域にお願いしなければならないことが協議できるのであって、信用されてもいないのに、相手の腹を探って落としどころを考えるような交渉は決裂するのが当然です。 まずは、信頼回復、ここから始めてください。くれぐれもスケジュールや工期を気にした強引な行動は慎んでいただくよう強く要望いたします。 鹿野園町の防災対策についてですが、市民の安全・安心をしっかり担保できるよう、予算措置も含めて責任を持って取り組んでいただきたいと申し述べます。 次に、帝塚山地区の防災対策についてでございます。 平成28年5月に当該地区が土砂災害特別警戒区域に含まれることを県が説明会において公表して以来、幼稚園の父兄や関係者、地域住民の不安は払拭されておりません。 ソフト対策である学校・園の避難経路などの整備はしていただきましたが、土石流などの被害を防止する砂防対策などのハード対策は手つかずのままです。ハード対策については、砂防三法により県が実施することとなっており、市単独での実施は困難であるとのお答えでしたが、これはどういうことでしょうか。 先ほどの新斎苑に係る鹿野園町の防災対策の答弁では、市が責任を持って防災対策を行っていきます。県との行政間での事業すみ分けについては、必要に応じて柔軟に対応していく必要がありますとの答弁でした。 地域によっての対応の差があり過ぎるのではないのですか。鹿野園町の住民も、帝塚山地区の住民も、幼稚園の園児も、皆同じ奈良市民です。えこひいきをするなとは言っておりません。防災対策などの生命と財産に直接かかわるようなことは、市民全てを平等に担保していただきたい、そのことを強く意見させていただきます。防災対策の地域格差が生じないようお願いいたします。 また、市長名で要望されるとの御答弁でしたが、幼稚園などの施設が関係する砂防指定地は優先的に対策されるとお聞きしております。その点も踏まえてよろしくお願いします。 そして、補助金制度についての要綱を作成するとのこと、この点については、早急に判断していただき、素直に評価させていただきます。 次に、庁舎耐震化についてでございます。 今回、この質問のため、本市の周辺自治体の庁舎耐震化について調査させていただきました。愕然としました。五條市、大和郡山市、桜井市、大和高田市ですが、本市と同様に庁舎の老朽化、未耐震のため建てかえか改修かを検討されたようですが、防災拠点としての重要度、また、役所としての機能維持のため、耐震目標を最高レベルのⅠ類、耐震化のIs値の重要度係数を1.5に設定して基本計画を策定し、その結果として免震構造での建てかえを選択されておりました。 愕然としたのは、全て建てかえを選択したということではございません。他の自治体が当然のように耐震目標を最高レベルのⅠ類、耐震化のIs値の重要度係数を1.5に設定していたこと、なおかつ免震化を採択していたことです。 それに対して、本市が採択した施策は、耐震目標をワンランク下のⅡ類、耐震化のIs値の重要度係数を1.25に設定し、巨大なジャングルジムとやゆされるような耐震化を採択したことです。37億円かけてです。この違いを我々はどう受けとめればいいのでしょうか。 市長は、熊本地震で被災した自治体の庁舎をごらんになっていないのですか。未耐震の庁舎は倒壊、もしくは大破し、軒並み機能不全になっただけでなく、本市の計画のようにアウトフレームで耐震補強した庁舎をも破壊され、機能不全になった事実を。また一方で、免震化をしていた医療機関等の施設は、建物だけでなく、施設内の非構造物への影響も少なく、震災直後から医療機関として機能が果たせていた事実を。 建築基準法における耐震性能の重要度係数は1.25ですが、建築基準法は人命を守ればよいので、建物を継続使用することを前提にしておりません。防災拠点の施設の性能を持たせるため、地震等の災害発生時においても、建物を補修せず使用可能であるためには、庁舎の耐震性能は他の自治体と同様、最高レベルのⅠ類、重要度係数1.5以上を設定することが必要なのは明らかです。 先日、土木学会が南海トラフ巨大地震の推定被害総額を発表しました。1410兆円です。想像もつきません。わかることは、海に面している都市は大打撃を受け、社会的機能が長期間麻痺してしまうであろうということです。 そんな状況の中で本市の役割、津波の心配のない本市、中核市である本市、県都である本市の役割はあるはずです。我々のこの庁舎は無傷でないとだめなんです。37億円かけて耐震化しました。だから、倒壊は免れたけれども、柱や壁にひびが入って使えない。やっぱり建て直さなあかんではだめなんです。言い方は悪いですが、小手先だけの中途半端な耐震化はお金の無駄です。 本庁舎の耐用年数があと24年あるとのことですが、それは間違っています。耐震性能がないということだけでこの庁舎の価値はゼロです。この基本構想は、37億円もの大金を投資して、大きなジャングルジムがついた二十数年しか持たない古い維持費のかかる建物を購入するということです。 熊本地震の被害を受けて、国は緊急に市町村役場機能緊急保全事業を創設しました。庁舎の建てかえに対して一定の交付金措置がされる有利な地方債で、先ほど申しました県内の自治体も含めて多くの自治体がこの地方債を活用しています。国からの支援はあるのです。 まちづくりの観点から建てかえをと申しておりましたが、その点以外にも、やはり本来の目的である防災拠点、庁舎機能の維持をしっかりと担保できる庁舎にしなければなりません。 いま一度立ちどまり、市民に対しても大きく情報開示をし、広く意見をお聞きください。そして、市民が納得する耐震化基本構想に再考していただくよう要望させていただきます。 最後になりますが、興福寺の五重塔が免震構造なのは有名な話です。地震の後、五重塔は無事で、庁舎は使えなくなるようでは、我々は先人に顔向けできません。どうか先人の知恵に負けない先を見た判断を市長にお願いして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○議長(北良晃君) 28番九里君。   (28番 九里雄二君 登壇) ◆28番(九里雄二君) 私は、公明党奈良市議会議員団を代表いたしまして、既に通告しております数点について、市長並びに教育長にお尋ねいたします。 初めに、市役所本庁舎の耐震対策について、市長にお伺いいたします。 昭和52年に建築された本市の市役所本庁舎は、これまで大規模な改修等が行われないまま、ことしで41年目を迎えます。中央棟、西棟、東棟の各棟は、新耐震基準に適合していないにもかかわらず、長年耐震という防災措置がなおざりにされてきた経緯があります。ようやくここ数年の中で検討が進められ、耐震化の方向性が示されたわけですが、本市役所庁舎は、市民の皆様が日々御利用いただく市の行政の拠点であり、地震などの災害によって倒壊して、御来庁されている市民の皆様の命にかかわるようなことが絶対にあってはならないことであるとともに、行政全般が機能しなくなるといった事態は、何としても防いでいかなければなりません。 ちなみに、平成28年4月に発災した熊本地震は、まだ記憶に新しいと思います。そのとき熊本県宇土市の新耐震基準に適合していない地上5階建て本庁舎は、4月16日未明の本震で4階部分が潰れ、倒壊寸前になった。立ち入りができず、書類などが残ったままになっているとの報道があり、その4カ月後の平成28年8月には、市役所本庁舎の解体工事を始めた。翌年3月までに撤去する予定。現在市役所は、敷地の2階建てプレハブ庁舎を中心に業務を続けているが、庁舎の再建は、現時点では白紙としているとの報道でありました。 このようにひとたび大地震が発生すると、耐震化が不十分な建物は、倒壊のリスクを拭えないという教訓であります。 そこで、1点目、新耐震基準に適合していない市役所本庁舎について、耐震化の経緯、その間の耐震化か建てかえかをいつの時点でどのように検討されたのかお答えください。 2点目は、緊急防災・減債事業債を活用した耐震化について方針が示されていますが、市町村役場機能緊急保全事業債を活用した建てかえについては検討されたのかについてお答えください。 3点目は、それら検討された時期は適切であったと考えておられるのかについてお答えください。 4点目は、耐震補強改修後の本庁舎は、どのように維持されていくのか、耐用年数に達する24年後の本庁舎について、新耐震基準には適合しているとされる北棟庁舎も含めてどのような対応を想定されているのかお答えください。 次に、なら国際映画祭についてお伺いいたします。 なら国際映画祭開催補助金については、平成28年度に続き、今年度当初予算において上程された2000万円が認められない結果となりました。この点について映画祭そのものの問題ではなく、補助金を充当していくのであれば、映画祭の内容や効果、本市にとっての位置づけ、経済効果などを明確にし、市民の皆様に対してこの補助金を納得できるものにしていくための説明責任を果たしていく必要があると考えるからであります。 本市にとって国際映画祭というイベントを通じて、文化振興という観点からまちの活性化が図れたり、経済効果を生み出すものであれば積極的に取り組むべきものと考えます。しかしながら、これまで補助金の適正性についての判断ができる情報が十分に開示されていなかったこと、そして、評価、検証においてのレビューがなされていなかったとの認識のもと、今回どのように検証され、対応されたのかについてお伺いしたいと思います。 そこで、1点目として、当初2000万円を予算案として上程されたものを、今回1000万円を補正予算として提示された経緯と、適正と判断された理由についてお聞かせください。 2点目は、外部の第三者委員会である文化振興計画推進委員会を開催して意見の吸い上げも行ったと伺っていますが、どのような意見があったのかお聞かせください。 3点目は、事業の客観的な評価として、なら国際映画祭開催による経済効果などについて見解をお聞かせください。 次に、木津川市との事業連携についてお伺いいたします。 本年1月に木津川市との連携・協力に関する包括協定書が締結されました。そこには、両市が連携・協力して、効率的にまちづくりを進めていくことを目的として、多様な地域資源の活用や災害対策などの強化、教育・保育の充実、公共施設の効率的な利活用などによるまちづくりに取り組むとの趣旨が盛り込まれており、取り組みの詳細については、両市が協議の上、都度決定するとされています。 他市といえども隣接し、関連の深い地域と連携しながら、効率的にまちづくりを進めていくというコンセプトや基本的な考え方において、単独で進めていくより効率的に推進できる事業であれば、積極的に進めるべきと考えます。 しかし、両者による連携である以上、ギブ・アンド・テイクが前提であり、その効率性や効果が見える形で判断されなければなりません。連携事業の推進プロセスやメリットが見えにくい状態であると言わざるを得ません。 そこで、1点目、コンセプトから一歩踏み込んだ具体的な事業を進めていく上で、その内容をどのように開示しているのか、そして、どのように判断しているのかについてお聞かせください。 2点目は、今定例会に補正予算として上程されている消防広域連携調査経費についても不明確なままでは予算承認できないと考えます。その事業内容を含めた情報を開示して、その政策を明確化すべきでありますので、その点についてもお答えください。 次に、新斎苑建設事業についてお伺いいたします。 1点目としては、新斎苑に係る事業契約はさきの定例会で承認され、4月以降工事に向けた準備を進めているものと認識していますが、大きな問題として工事車両の鉢伏街道通行に対する鹿野園町自治会の同意を得ることが難航していると聞き及んでいます。 このまま工事に着手ができず、万が一工期がおくれた場合、違約金の発生や遅延に伴う工事費の増大を懸念しております。さらには、事業の全体スケジュールにも影響し、予定している平成33年4月からの供用開始に遅延が生じかねないという点についても危惧しているところであります。 早期の工事着手が必要であると考えますが、市として工事着手のタイミングやリミットをどのように考え、また、全体のスケジュールをどのように考えているのかお聞かせください。 2点目として、鹿野園町自治会を初め、白毫寺町や横井東町自治会といった新斎苑建設に係る関係自治会の方々とは、これまで候補地選定以降さまざまな反対の御意見や運動があったのは事実であり、その中で、今、市は悲願達成のため事業を進めていただいているところであります。 鉢伏街道の工事車両の通行問題についても、やはり市と関係自治会との信頼関係が構築されていない一つのあらわれであると言えるのではないでしょうか。担当課は、関係自治会と協議しているとはいえ、市長に対する住民不信が払拭されていない中で、やはり市長自身が関係自治会の皆様と密に対話し、信頼関係を築くべきであると考えます。 今後どのように関係性を築こうと考えておられるのか、市長の思いをお聞かせください。 次に、バンビーホーム昼食提供についてお伺いいたします。 ことしの夏休みからバンビーホームの昼食提供がスタートする予定となっています。それに先立って、3月定例会で我が会派から示した懸念点と事前対策の導入を要望いたしました点について、再確認させていただきたいと思います。 昼食代350円に対し、公費助成を100円として250円を実費負担するメニューでことしの夏から昼食提供事業がスタートすることとなったところです。 懸念事項に対し、事前対策を要望している点として、経済的に困難な家庭への具体的な配慮、子供同士の新たな格差による心理的負担が生じる場合があることも想定した事前対策の導入を要望いたしました。 そのうちの一つとして、バンビーホームの中での児童の公平性が担保できるのか、格差が生じるのではないのかと指摘した点について、常任委員会などの答弁から低所得世帯への対応として、児童育成料の減免制度を踏まえ、市民税非課税世帯へ昼食代を無料にする対応をとられるとのことです。 そこで、1点目として、学校で就学援助制度を利用し給食費を免除されているのに、バンビーホームでは減免制度の対象とならないため、昼食代の負担が発生する児童が出てきます。そうした児童について認識されていると思いますが、その点についてはどのように解決されるのかについてお答えください。 2点目の懸念点として、奈良市全体の児童を捉えたときの公平性の担保については、どのように考えておられるのか、さらに、児童への指導と安全を確保するための各現場での体制整備について、どう改善するのかについてお答えください。 次に、まちづくりに向けた交付金活用についてお伺いいたします。 国が地方自治体対して準備しているさまざまな地方創生に関する交付金の本市での活用状況についてお聞きします。 地方創生は平成26年9月に発表され、日本の人口減少、とりわけ地方から都市部への人口流出による地方の人口減少に歯どめをかけていこうとする地方活性化策であります。また、2020年に向けた国の総合戦略の具体的な目標や展望が掲げられ、若者や女性の就業、結婚、出産、子育てに至る一連の支援などに向けた財政支援として交付金が提供されています。 これらのことを踏まえた本市の地方版総合戦略に即して地方創生がスタートして以来、現在に至るまでの交付金活用状況についてお聞かせください。 特にまちづくりに向けた今年度地方創生推進交付金、地方創生拠点整備交付金については、3月に第1回目の募集受付が終了していますが、6月に第2回の募集受付が予定されております。奈良県内の各市町村についても当該取り組みについて積極的に活用されていると聞き及んでいます。当該募集は、6月第2回募集申請受付の後、8月上旬に採択事業の公表、8月下旬に地域再生計画の認定、交付決定を予定されております。この点の本市の考え方及び取り組みについてお聞かせください。 次に、教育行政の観点からいじめ対応支援員について、教育長にお尋ねいたします。 いじめ対応の体制として、これまで16名のいじめ対応支援教員を配置して、いじめ防止に向けた支援をいただいてきましたが、今年度予算編成時において、当該支援教員の配置をなくすとの方針が示されました。 この点については、いじめ対応支援体制をなくしていくのではなく、支援継続として今年度8名体制でスタートすることとなったものですが、昨年度までの体制と今年度からの新たな支援体制について、その内容と取り組みについて確認しておきたいと思います。 そこで、1点目として、16名のいじめ対応支援教員を配置していたことの効果とこれまでのいじめ撲滅に向けた取り組みについてお答えください。 2点目は、今年度予算に計上された8名の当該支援体制の業務内容と、各資格条件と配置の現状と見通しについてお示しください。 3点目は、今後のいじめ対応に向けた考え方についてお聞かせください。 以上で私の1問目を終わります。 ○議長(北良晃君) 市長。   (市長 仲川元庸君 登壇)
    ◎市長(仲川元庸君) ただいまの九里議員からの御質問にお答え申し上げます。 まず初めに、市役所本庁舎の耐震化についての御質問でございます。 耐震化の経緯、また建てかえか耐震化かをどの時点で検討したかということでございますが、阪神・淡路大震災や東北地方太平洋沖地震を経て、旧耐震の基準によって建築された本庁舎の耐震性能が疑問視され、平成26年に市有の公共施設の耐震化率が目標の90%に達する見込みとなりましたことから、平成27年度より耐震化の整備の検討に入らせていただきました。 本庁舎中央棟、西棟、東棟につきましては、昭和52年の建築でありますことから、65年の耐用年数には約24年を残している状況であり、耐震性能を考えなければ建てかえの議論を行うにはまだ時期が早いという状況でございました。 しかしながら、総合的な視点で耐震化整備を行う必要性から、平成28年度には奈良市本庁舎耐震化整備検討委員会におきまして、耐震補強改修と庁舎建てかえなどを比較しながら施工方法、居住性、機能性、コスト、財源などの視点から耐震整備手法の検討を行ったところでございます。 そして、その結果として提出されました整備検討報告書におきましては、本庁舎の建てかえにつきましては、コストが多額になるなどの理由で採用されず、耐震補強改修での耐震化が提言をされたわけでございます。 その報告書を受けまして、平成29年度において、市において耐震補強改修を基本にさらなる検討を行い、いながら工事の実現、耐震補強工事費の縮減、また、緊急防災・減災事業債の適用期限であります平成32年度末までの工期の実現を達成するために、中央棟につきましては、外づけフレームを設置することによって、庁舎内部の補強を極力減少させて執務環境を維持することが可能になるなど、さまざまな検討によって工法が確定いたしましたことから、奈良市本庁舎耐震化整備基本構想でその方向性をお示しさせていただいたところでございます。 次に、市町村役場機能緊急保全事業債の活用の検討でございますが、奈良市本庁舎耐震化整備検討委員会におきましては、耐震補強改修と庁舎の建てかえを比較しながら整備手法を検討してきたところでございます。 その際に、耐震補強改修においては緊防債の活用、建てかえにおきましては公共施設等適正管理推進事業債でございます、先ほど申し上げました市町村役場機能緊急保全事業債の活用を想定して財源の検討を行ってまいりました。 また、耐震化の検討時期が適切であったかという御質問でございますが、本庁舎に先んじて学校等教育施設などの耐震化事業を優先してきたことから、その進捗を見きわめた上で、27年度に本庁舎の耐震化の検討に入らせていただいたという流れでございます。 本庁舎の耐震化には、多額の予算がかかることから、多面的な視点で慎重に検討を重ねてきたところであり、耐震化の緊急性とあわせて緊防債の適用期限に間に合うような事業計画とするべき状況でございましたので、その検討した時期ということにつきましては適切であったと考えております。 次に、今後の本庁舎の維持管理や耐用年数に達した24年後の本庁舎のあり方ということでございますが、本庁舎は、今回の耐震補強にあわせまして設備機器などの建物機能の長寿命化もあわせて図る予定でございます。 今後も計画的に長寿命化を図り、適切な維持管理に努めてまいりたいと考えております。 また、24年後についてどうかということでございますが、当然耐震化がとれております北棟の庁舎についても老朽化が進むことが予測され、また、周辺環境や人口の減少、変化、さらには技術の革新なども当然想定されますことから、市役所の業務につきましても大幅に環境が変化することが予測されます。 そのようなさまざまな変化を総合的に勘案して、適切な時期に今後の庁舎のあり方について検討していくべきものだと考えております。 次に、なら国際映画祭についての御質問でございます。 これまでの経緯を踏まえ、どのように対応し、適正としたのかということでございますが、この映画祭につきましては、世界中から映画作品が応募される国際コンペと学生コンペを核に、親しみやすい映画上映やシンポジウム、子供を対象としたプログラムを奈良市で開催する事業であります。 映画文化の醸成と映画文化に触れる機会の創出、発信力の高い方々が訪れることによる本市の魅力のPR、そして、最終的に250名以上にもなるボランティアが準備段階からつくり上げていくことによる人材育成という部分も大きな狙いでございます。 特に今回は、若い世代の育成にも力が入っており、子供の感性、創造性を膨らませる取り組みとして映画審査を通して、しっかりと作品を見る目を養うプログラムを企画されております。 これらの事業は、これからの時代を担う若者の育成のためにも本市として支援をしてまいりたいと考えており、議員御指摘のとおり事業の趣旨や内容、効果を十分に説明し、お認めいただけるものにしていく必要があると考えております。 また、今回策定をいたしました文化振興補助金交付要項に基づきまして、なら国際映画祭に対する補助金の審査も行ったところでございます。審査につきましては、奈良市文化振興計画推進委員会におきまして行い、各委員からも忌憚のない御意見をいただき、結果として補助金の交付対象事業として適当であるとの御意見をいただいたところでございます。 この意見に加えまして、市といたしましては、事業計画や収支計画から収入、必要経費などを精査し、要項に基づいて補助額を算出したところ、この事業に係る総事業費が5914万円、そこから補助対象外となります仮称奈良公園エリアの美術館・歴史博物館クラスター形成実行委員会委託金に係る経費、また、食糧費などの総額1215万4000円を差し引きまして、補助対象経費としては4698万6000円であると確認いたしました。そこから他の補助金やチケット収入などの総額1804万8500円を差し引きまして、さらにそこに補助率の2分の1を掛けました結果、補助金額としては1446万8750円となりますことから、上限額でございます1000万円に落とし、補助額として算定させていただいた次第でございます。 これらのことから、今回は1000万円を適正と判断し、補正予算として計上させていただいた次第であります。 次に、文化振興計画推進委員会では、どのような意見があったかということでありますが、主な意見といたしましては、要項に対しては、「補助事業の目的を明確にすべき。市民文化活動と都市文化活動に区分して支援してはどうか」という御意見。また、「補助金の基準となる補助率と金額の上限が必要である」との御意見。また、「金額的には実績から見て市民文化活動は50万円、都市文化の推進は1000万円が限度である」という御意見。また、「都市文化活動は都市格向上につながる政策的一面もあるということから、プレゼンテーションを義務づけて審査をする。事後報告会も義務づける」という御意見がございました。また、その他の御意見といたしましては、「公平・平等に配分するべきものと市が集中的な投資を行うものの区分が必要である」との御意見。また、「市民活動の部分は公募すべき」との御意見。「公募を行うのであれば、準備をしっかりと行う期間が必要である」との御意見。また、「将来的には補助金を受けないで活動できる団体になるためにはどうしていくかが重要だ」という御意見がありました。 審査会におきましては、なら国際映画祭実行委員会からのプレゼンテーションを受けまして、それに対しまして「奈良で生き続けることの希望を伝えたいという重要なプロジェクト。どのように伝えていくかが課題。誰に届いていないかを把握すること」という御意見。また、「都市アイデンティティーを発信する事業を理解してもらうには、事業の効果を説明していく必要がある」という御意見などがございまして、このように要項の策定や審査の過程で、さまざまな御意見が出された次第でございます。 次に、経済効果についての御質問でございます。 客観的な評価といたしましては、前回、一般財団法人南都経済研究所の発表で、なら国際映画祭2016の開催に係る観光消費額につきましては1億2000万円と分析されております。この数値は、3万1451人の来場者のデータをもとに推計し、観光客1人当たりの消費額を宿泊客、日帰り客別に推計されたものであります。 また、カンヌ国際映画祭や国内の大きな映画祭などと比較いたしますと、まだまだ経済効果は及ばない状況ではございますが、2010年には5,527人であった来場者が、回を重ねるごとに増加してきておりますことから、今後さらなる発展を期待し、市としても支援をしてまいりたいと考えております。 また、客観的な評価としてはほかにも、オープニングに来場されるメディアが約50社にもなるということ、国内外でもさまざまなメディア、媒体で取り扱われるということもあり、国際映画祭のPRとともに奈良への関心も高まるものだと考えております。 さらに、これまでかかわった世界の映画有識者からは、奈良という土地で映画祭が行われることに対する評価の声もいただいていると伺っております。 文化振興計画推進委員会での御意見でもございましたように、都市文化を推進する事業は、事業の趣旨や目的とあわせて効果を出していかなければならないと考えております。そのため、要項において報告会を実施することにいたしましたので、事業の終了後にはしっかりと実績や効果を確認してまいりたいと考えているところでございます。 続きまして、木津川市との連携についてでございますが、木津川市とは、以前より観光分野において大仏鉄道の遺構をめぐるマップの共同作成、また、消防の分野でも構成市町村として参加をしておられます相楽中部消防組合と相互応援協定を結び、はしご車の定期点検中の事案に対する出動体制を補完するなどのさまざまな連携を図ってきたところでございました。 このような実績も踏まえまして、災害時の協力体制の構築や双方の公共施設の効率的な活用ができれば、両市民にとりましてもよいことであり、連携によるさらなる相乗効果が期待できると考え、協定の締結に至った次第でございます。 連携事業を想定している分野といたしましては、観光等の地域活性化分野、そして防災等の安全・安心分野、そして教育・保育などの子育て分野、そして公共施設の利活用の分野から検討を進めさせていただいております。 今定例会に補正予算を提案させていただいております奈良市と相楽中部消防組合がそれぞれ所有しているはしご自動車を共同で整備運用していこうという事前調査経費につきましても、この連携事業の一環でございます。 両市のはしご車が更新時期を迎えていることもあり、一方で出動頻度が比較的低いということ、その中で導入の経費、維持管理経費が高額であるという共通の課題がございましたことから、今回共同の運用を検討するに至った次第であります。 本事業につきましては、総務省消防庁の消防の連携・協力のモデル構築事業として採択された事業でもございます。これが実現いたしますと、共同整備運用によって奈良市として1台のはしご車に要する費用を圧縮し、その分他の資機材の強化にも充てることができるだろうと考えております。 このようにこれまでも両市で協力をしてきた事業の中から発展をしたものなど、連携のスタートメニューとして、まずはお互いに利点が感じられるものを選んでまいりたいと考えております。 検討の進め方につきましては、まず、連携・協力できる施策メニューを木津川市との間で協議し、事業の手法や課題、スケジュールなどについて協議を行った上で実施をしてまいりたいと考えております。 連携する事業の概要や奈良市にとっての利点など、連携に関する情報につきましては、適切なタイミングで、ホームページなども通じて市民の皆様にも御提供してまいりたいと考えております。 続きまして、新斎苑建設事業についての御質問でございます。 工事着手のタイミングや、また全体のスケジュールについてということでございますが、まず、全体のスケジュールにつきましては、現在工事前の環境影響調査を行っており、測量業務や事前調査としての建築施設の実施設計、また、新設道路部分に係るボーリング調査も引き続き開始する予定でございます。 今年度は、この6月末から行います事前調査と並行して施工計画書を作成し、関係住民の皆様を対象に工事説明会を行ってまいりたいと考えております。その後、計画地内の樹木の伐採を行うとともに、橋台や橋脚などの橋梁の建設工事を中心に行い、並行して建築や土木の基本設計、実施設計も行う予定といたしております。 来年度以降は、それらの設計を受けまして、建築や土木工事を進め、予定としている平成33年4月の供用開始に向けて取り組んでまいります。 なお、契約上では、市が正当な理由なく契約を解除した場合には、損害賠償の規定はございますが、工期の延期等で違約金が発生することはございません。また、現時点において工期のおくれはないことから、事業費の増額にはつながらないものであると考えております。 現在、工事車両等の鉢伏街道東側の利用の問題につきましては、鹿野園町対策協議会の皆様と協議を重ねているところでございますが、今後事業者も交えた意見交換を行い、その上で住民全体を対象にした説明会を開催し、その上で工事に着手してまいりたいと考えているところでございます。 次に、関係自治会との信頼関係についての御質問でございますが、本市の新斎苑建設は長年の市民の悲願であり、最重要課題としてこれまで取り組んできたものでございます。現在の計画につきましても近隣の住民の皆様、また関係自治会の皆様方から、賛成、反対それぞれのさまざまな御意見をいただいてきた経緯がございます。 しかし、一方で、新斎苑は市民にとってなくてはならない施設であり、この長年の課題を市民のために我々が解決するという強い意思を持って、担当職員も含めこれまでしっかりと取り組みを進めてきたところでございます。 また、先ほどの御質問でもお答えを申し上げましたが、現在、地元との協議につきましては、担当の職員を初め、それぞれの協議の進展に合わせまして、部長、副市長がこれまでお邪魔しております。今後、私もさらにお邪魔させていただきまして、引き続き地域の皆様との対話を深めてまいりたいと考えているところでございます。 続きまして、バンビーホームの昼食提供についてでございますが、経済的に困難な家庭への具体的な配慮については、児童育成料の減免制度も踏まえながら、今回の昼食提供事業におきましても、生活保護受給世帯、また市民税非課税世帯を対象に同様の制度を設けてまいります。 加えまして、議員御指摘の学校給食で就学援助制度対象世帯につきましても、整合性をとるべきだということもございますので、昼食費の減免制度を設けてまいりたいと考えております。 そして、奈良市全体の児童を捉えた公平性の担保や児童の安全性の確保などについての御質問でございますが、働きながら子育てしやすい社会の実現は、全ての人が豊かな社会生活を享受するためにも必要であることから、今後も引き続き、働く保護者を支援するためにバンビーホームの運営事業に力を入れてまいりたいと考えております。 今回の昼食提供もその一環と考えておりますが、やはり何よりも保護者が利用しやすい制度とすることが大切でありますので、弁当を利用したいのに利用できない児童が発生しないようにするためにも、やはりバンビーホームの昼食提供事業に対する公費負担は必要だと考えております。 児童への指導や安全確保については、現在課の担当者が全ての小学校を回りまして、各ホームの搬送、また保管場所の点検、配食の方法などについて指導員の方とともに確認を行うよう指示させていただいております。 続きまして、地方創生に係る交付金の活用についてでございますが、平成27年度から現在までの地方創生事業の取り組みといたしましては、平成27年度には、地方への好循環拡大に向けた緊急経済対策に基づく地方創生先行型交付金といたしまして、奈良市版まち・ひと・しごと創生総合戦略の策定を初めとする定住、健康、観光、起業支援などさまざまな分野の16事業、事業費総額として約1億7000万円を申請いたしました。 28年度につきましては、自治体の取り組みの先駆性を高め、レベルアップの加速化を図った地方創生加速化交付金として女性の就労支援事業、奈良町のおもてなし戦略の2事業、また、自治体の自主的・主体的な取り組みで先駆的なものへの支援を目的とした地方創生推進交付金といたしましては、東部振興事業と観光力強化事業の2事業、全て合わせまして計4事業で総額1億2800万円を申請いたしました。 また、29年度につきましては、地方創生推進交付金を継続して実施し、事業費総額で8500万円を申請、本年度につきましては、地方創生推進交付金として、県との連携事業であります奈良の国際ブランド力最大化プロジェクトと平松地区生涯活躍のまちプロジェクトの新規2事業、この事業費として4500万円、継続の2事業と合わせましては、計4事業で総事業費が9000万円を申請いたしております。 これら全て合わせますと、22の事業で地方創生交付金を活用いたしている状況にございます。 そして、今般募集をされております地方創生推進交付金、地方創生拠点整備交付金第2回の募集についての市の考え方でございますが、本市におきましては、28年度から継続している2事業に加えて、今年度は既に新たな2事業を採択されている状況でございます。 一方で、地方創生拠点整備交付金につきましては、対象の事業に観光振興などの観光分野、また、生涯活躍のまち分野などのハード事業が挙げられており、ソフト事業と連携することで地方創生への波及効果を高めることが望ましいとされております。それらの趣旨を踏まえまして、現在庁内で対象事業の洗い出しを行っております。 財源の確保は本市にとりましても重要でございますので、今後も国の動向に即応できるように準備を進めてまいりたいと考えているところでございます。 以上でございます。 ○議長(北良晃君) 教育長。   (教育長 中室雄俊君 登壇) ◎教育長(中室雄俊君) 九里議員の代表質問にお答えを申し上げます。 まず、16人のいじめ対応支援教員を配置していたことの効果とこれまでのいじめ撲滅に向けた取り組みについてでございますが、平成28年度からいじめ問題等生徒指導上の課題の多い学校には重点的に対応できるよう、いじめ対応支援教員を配置し、いじめの未然防止とその解消に取り組んでまいりました。 いじめは、いつどこで起こるかわからない事象であり、特定の学校にだけいじめ対応支援教員を配置することは、配置校と未配置校との間でいじめの対応について差異が生じるという課題が見えてまいりました。 教育委員会といたしましては、学校のいじめに対する取り組みを確認するために指導主事と学校支援コーディネーターがチームを組み、2年間にわたり学校訪問を実施してまいりました。その結果、それぞれの学校において校内委員会が定例化するなど、いじめ対応に関する奈良市のスタンダードは一定の確立がなされたと判断をいたしております。 続きまして、お尋ねの今年度予算に計上された8人の当該体制の業務内容や各資格条件と配置の見通しについてでございますが、いじめ対応支援員は、8人を任用して8中学校区に配置し、校区内の小・中学校を巡回する計画をいたしております。いじめ事象の緊急事態が発生した場合には、配置校を離れ、必要な学校に出向き、対応に当たってまいります。 現在、教職経験者を6人任用し、いじめ問題に関する最新の知識や教育相談の手法等について配置前研修を実施した後、6月11日より6中学校区に配置をいたしました。さらに、配置後も資質向上を目指し、市が主催いたします教職員研修に参加をいたします。また、残る2人につきましては、臨床心理士資格を資格条件として募集を続けてまいります。 支援員の業務内容につきましては、授業を持たず、子供たちとの関係づくりを行い、時にはいじめで悩む児童・生徒からの相談を受け、いじめ事象が発生した際には、配置校のいじめ対応教員とともにその解消に当たってまいりたいと考えております。 次に、今後のいじめ対応の考え方についてでございますが、いじめは、いつどこで起こるかわからない見えにくい事象であることから、先ほど申し上げましたいじめ対応支援員8人を任用し、当面は8中学校区に配置いたします。 いじめ対応支援員は、子供たちの様子を丁寧に観察するために校内を巡回したり、教室への入り込みをしたり、また、担任が行ういじめ防止のための授業を支援したりして、いじめの未然防止や迅速な対応に努めてまいりたいと考えております。 市教委といたしましても、校長OB3人、警察OB1人の合計4人で組織する学校支援コーディネーターと指導主事6人が2人1組で、最大5チームを組んで学校を訪問いたします。 その際には、各学校に1人任命をいたしておりますいじめ対応教員や、今後新たに配置をするいじめ対応支援員とも連携をして、学校のいじめ対応に対する力を向上させてまいりたいと、このように考えておるところでございます。 以上でございます。 ○議長(北良晃君) 28番九里君。 ◆28番(九里雄二君) 2問目は、自席より1点質問いたします。 バンビーホーム夏休み等昼食提供事業について、市長にお伺いいたします。 これまでの答弁から、この事業の目的を、働く保護者の負担軽減を図り、保護者がゆとりを持って児童に向き合えるための支援とされ、保護者の視点に立った支援であるように想定されておりますけれども、バンビーホームの所管が子育て支援部署から教育委員会へ配置された段階で、バンビーホームは教育を目的とした児童に視点を置いた子供の放課後の居場所であると認識しております。その見解についてお聞かせを下さい。 ○議長(北良晃君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) 2問目は自席からお答え申し上げます。 バンビーホームの事業については、一つには、先ほど申し上げましたように、働く保護者が安心して子供を預けられるということが重要でございます。そういった意味では、保護者の支援という要素が欠かせないというふうに思っております。 一方で、子供たちの健全育成を進めるということは、御指摘のように大変重要でございまして、そういったことからも教育委員会の部局に担当していただいているということになります。 あわせまして、学校とバンビーホームの連携も大変重要でございますので、そういった視点でも、いわゆる市長部局ではなく教育委員会の部局として位置づけることによりまして、例えば子供の状況の把握や適切な対応が可能となると考えており、学校とバンビーホームが一体となった取り組みを進めていくことが重要だと考えております。 今回の昼食提供につきましても、家庭の状況によって差が生じないようにしていきたいという思いもあり、同じ弁当を提供し、子供の健全育成、食育を進めていきたいと考えている次第でございます。 ○議長(北良晃君) 28番九里君。 ◆28番(九里雄二君) ありがとうございました。 3問目は、主張と要望とさせていただきます。 初めに、市役所本庁舎の耐震対策についてでございますけれども、これまで耐震化については、学校を優先的に取り組んでこられたという点については認識をしているところであります。 そんな中で、2年前に熊本の地震によって庁舎への大きな影響が出たことなどを踏まえて、改めて市民の皆様に御利用いただく庁舎の耐震化へと検討が本格化したわけでございますが、本庁舎の耐用年数が65年とされている中、現時点で既に41年が経過している状況にございます。 今回お聞かせいただいた御答弁において、耐震化に伴う交付金の活用を含めた財政面や今後の維持管理及び耐用年数である24年後の対応想定については、現時点の判断においては反対するものではありません。 本来65年の耐用年数とされているのであれば、その年数の一定期間ごとの計画的な修繕、改修サイクルを定めておくべきであること。今後のことを考えていきますと、新耐震基準に適合していない建屋であることから、その維持管理は通常以上の配慮が必要であること。さらに、決して財政面で余裕があるわけではない中では、そのライフサイクルとコストの関係から、最も効率的なタイミングや対応方法を見定めるべきであること。そして、それらの情報をタイムリーに開示して十分な審査を行って方向性を定めるべきであることを申し上げておきたいと思います。 その点を踏まえて、今後の改善対応に生かしていただくことを強く要望したいと思います。 次に、なら国際映画祭について。 今回、補助金予算1000万円の適正性、文化振興計画推進委員会という第三者委員会で出された意見、映画祭開催の経済効果について、お聞きしたことに対して丁寧に御答弁をいただきありがとうございました。 改めて申し上げておかなければならない点は、なら国際映画祭を事業として見たときに、その事業規模がどうなのか、将来はどうなのか、自助努力による収入はどうなのかなどなど全体像が見える中で、期待を込めて自助努力を補完する意味として、補助金を充当していくとの位置づけでなければなりません。堂々と市民の皆様に表現できるようにしなければなりません。同時に、御理解をいただきながら盛り立てていただくよう、また、御参加いただくように働きかけていくことが重要であります。そのための情報の整理であり、開示であります。 御答弁の中にも推進委員から、将来的には補助金を受けないで活動できる団体になるためにはどうしていくかが重要との意見も御紹介いただいておりましたが、情報を共有しながら同じ思いに立って推進拡大できるように、今回御答弁いただいた内容をオープンにしていただくことを要望いたします。 さらに、将来にわたって継続し、発展していくことを願いつつ、今回の映画祭の実施状況につきましても、タイムリーに事業報告を行っていただき、来年に向けても納得のいく支援となるように取り計らっていただくことをお願いいたします。 次に、木津川市との事業連携について。 他の自治体との事業連携という点においては、双方にとって恩恵を受けることができるといった点や、事業連携することによって単独で行うより効率的であることが必要であることは言うまでもありません。どちらか一方だけが恩恵を享受することになったり、その恩恵の度合いがアンバランスであったりすると、連携の意味をなさなくなってしまいます。 その意味で、連携する事業内容を事前にどこまで公表しているのか、そして、どのように判断しているのかという点についてお聞きしたわけです。それに対して、締結式の場や議会での答弁といった形で御案内をさせていただいている、また、連携に係る予算を御提案するという形でお示しはしているとの御答弁をいただきました。 しかし、聞かれれば情報を提供するというスタンスではなくて、連携しようとする事業案があれば、質問がなくても情報を公開して、連携する効果を確認して進めていくことが必要です。機密情報や不確定事業まで公表する必要はありませんが、事業概要であったり、単独ではなし得ない連携ならではのメリットの説明、今回の消防広域連携調査経費については、補正予算を申請されたものですので、その審査の対象としてお聞きしました。その他さまざまな連携事業項目については、どのように情報共有しながら事業判断していくかについて、御検討いただきますよう要望いたします。 次に、新斎苑建設事業について。 既に事業承認された本新斎苑建設事業は、具体的な工事手法とスケジュールの詳細設定の段階に来ていると認識しています。しかしながら、工事車両の通行の問題について地元地域の住民の皆様の御同意を得るところで停滞をしているという状況を危惧しているところです。 既に3月議会で事業承認されて、工事業者も決まり、完成及び供用開始の平成32年度末に向けて工事が進んでいく段階であるにもかかわらず、停滞していることに対する財政面におけるロスの発生懸念と、地元住民の方々と市長との信頼関係の問題を今回指摘させていただきました。 財政面のロスについては、先ほど、工期の延期等で違約金が発生することはないこと、また、現時点において、工期のおくれはないことから事業費の増額にはつながらないとの御答弁でしたので、ひとまずは安堵いたしましたが、市長への地元住民の信頼という2つの問題点は相互に関係し合っているという点です。市長への信頼が得られれば、工事に伴う問題も糸口が見えてくるはずです。この点の解決は市長しかできません。誰かがかわりに信頼を回復することはできません。そのことを肝に銘じて、地元対応に全力を尽くしていただくことを強く要望いたします。 次に、バンビーホーム夏休み等昼食提供事業について。 ことしの夏から実施となることについては、一歩前進が図れたものと認識しておりますが、幾つかの懸念点についての現状と今後の課題認識とさせていただきたいと思います。 大きな懸念点としておりました一つとして、学校で就学援助制度を利用し給食費を免除されているのに、バンビーホームでは減免制度の対象とならないため、昼食代の負担が発生する児童に対しては、今回の御答弁で昼食費の減免制度を設けるとの御答弁をいただき、ありがとうございました。我が会派の同僚議員から3月議会の折にも強く要望しておりましたので、その点についての御理解をいただきましたことは感謝を申し上げたいと思います。 教育として児童に視点を置くバンビーホーム、子供の放課後の居場所では、全ての子供にとって安全で安心な環境でなければいけないと考えます。 この事業により児童の間に格差が生じることは本意ではありません。また、新規事業を開始する場合は、どのような事業であっても、さまざまな課題や困難が想定されるが、それらを解決しながらよい事業にすべきであると以前の答弁で市長は言われましたが、御答弁の中においては、保護者への目線で御判断されている点があることも危惧する点でありました。昼食提供事業自体を否定するものではなく、当初の事業設計の点で児童の目線に立ったときに、検討が不十分であったことを指摘させていただきたいと思います。 安定した昼食提供を実施継続するために、昼食の一部を公費負担することで、全ての児童が利用するとしていたこと、250円の実費があることに対して捻出できない家庭への配慮が欠けていたこと、また、アレルギー対応はどうされるのか、除去食の提供が不可能な場合は持参の弁当となり、その場合の公費はどうするのか、事業の支援を受けられないのに公費での補助もされないのは不公平ではないか、そして、今後、現状として本来の体制が整っていない中、昼食代の減免対応がふえることで、バンビーホーム入所者がふえることも考えられます。より一層現場での児童の指導と安全の確保が難しくなっていきます。 これらのことは、想定の範囲でありますが、そうした見通しを立てた上で、事業設計されるべきであったと意見をさせていただきたいと思います。 また、こうしたことは、教育の場として、子供へ提供する事業であるので、事業を開始しながら改善していくのではなく、万全を期して進められる事業でなければならないと考えております。その点も強く申し添えておきたいと思います。 次に、まちづくりに向けた交付金活用について。 地方創生推進交付金、地方創生拠点整備交付金については、1問目の質疑でも申し上げましたが、今月、この6月が2回目の募集申請受付となっていることから、改めて取り上げて確認をさせていただきました。これに限らず、国が地方自治体に向けた交付金メニューを提示されているのであれば、そのメニューをいかに活用していくかが、本市の財政面における効率化においても大変重要な取り組みとなってきます。 地方創生という観点では、地方が積極的に国に対してアピールし、交付金など活用できるものは最大限利用して、効果的なまちづくりを行っていくことにほかなりません。財政面や大きな課題を抱えている自治体ほど積極的に活用していると言えます。ぜひともチャンスを最大限活用いただくことを要望いたします。 最後に、いじめ対応支援員と措置について。 3月定例会の折に、それまで配置していたいじめ対応支援教員16名を継続せず、予算計上なされていなかったため、いじめ対応の手を緩めるわけにはいかないとの観点から、支援継続の要望を行ったところであります。 結果として、今年度は8名のいじめ対応に向けた支援員を配置して支援を継続されることとなり、既に6名は今週初めに配置いただいたところである旨、先ほどの御答弁でも御説明をいただきました。 これまでの16名の支援教員を単純に半分に減らしたのではなく、1人の役割をさらに一歩深める形で支援の内容を強化いただいた点については、いじめに対しては手を緩めることなく対処していくという意図するところへの対応を図っていただいたことに対して感謝を申し上げたいと思います。 また、校長OB、警察OBからなる支援コーディネーターと指導主事によるチーム編成による学校訪問や、今回配置いただいたいじめ対応支援員及び学内のいじめ対応教員らとの連携という取り組みを施行いただこうとしている点にも期待したいと思いますし、その今年度の実施状況については、現場の実情や効果など別の機会に確認していきたいと思います。 ただ、これまでいじめ対応の体制を整えて支援を強化され始めたのは、平成28年度からですので、ようやく2年が経過したに過ぎません。3年目に入った今年度は、これまでの経緯を踏まえていじめ撲滅に向けたさらなる効果的な取り組みを追求いただくことを要望いたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。 ○議長(北良晃君) 議事の都合により、暫時休憩いたします。   午前11時54分 休憩   午後1時0分 再開 ○副議長(三浦教次君) 議長所用のため、私、かわって議長の職務を行います。よろしくお願いいたします。 休憩前に続き、会議を開きます。----------------------------------- ○副議長(三浦教次君) 代表質問を続行いたします。 32番井上君。   (32番 井上昌弘君 登壇) ◆32番(井上昌弘君) 日本共産党奈良市会議員団の井上昌弘です。 会派を代表し、市長並びに関係理事者に質問をいたします。一問一答で行いますのでよろしくお願いをいたします。 まず、市長の政治姿勢といたしまして、憲法改正問題についてお聞きをいたします。 安倍首相は、昨年からことしにかけて憲法9条に3項を書き加えるという、いわゆる加憲を提唱し、ことしの初めには、ことしこそは憲法のあるべき姿を国民に示して憲法改正に向けた国民的論議を深めていくと述べました。戦後の歴史の中では、9条はまさに最大の危機を迎えていると考えております。 自衛隊を9条に明記する案について、市長はどう考えておられるのかお聞きをいたします。 以上で第1問を終わります。 ○副議長(三浦教次君) 市長。   (市長 仲川元庸君 登壇) ◎市長(仲川元庸君) ただいまの井上議員の御質問にお答え申し上げます。 憲法改正についての御質問でございますが、憲法9条の改正につきまして、自民党憲法改正推進本部が戦力不保持を定める2項を維持して、新たに9条の2を設け、自衛隊を保持する案をたたき台としておられるということにつきましては認識いたしております。 憲法の改正を議論するに当たりましては、さきの大戦から70年以上にわたり守り続けてきた平和が、これからも続くようにするにはどのような憲法であるべきかという視点で議論されなければならないと考えております。 ○副議長(三浦教次君) 井上君。 ◆32番(井上昌弘君) 今、市長から70年続いたこの平和をさらにこれからも続けていくにはどうしたらいいかという視点での議論が必要だという認識が示されました。当然のことだというふうに思います。 そこで、憲法の危機という重大な状況が生まれ、さまざまな市民団体の皆さんが9条改憲NO!憲法を生かす全国統一署名の取り組みを大いに頑張って広げられました。 全人口の約1割にも及ぶ1350万人の改憲ノーの署名が集まったことにつきまして、市長はどのように評価をされておられますか。 ○副議長(三浦教次君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) 2問目以降は自席でお答え申し上げます。 平成30年6月7日に1350万人以上の方々の署名が提出されたということにつきましては、私も認識いたしております。 憲法改正は国会において発議するかどうか審議をされるものでございますので、地方公共団体の首長としてもその議論をしっかりと注視してまいりたいと思います。 ○副議長(三浦教次君) 井上君。 ◆32番(井上昌弘君) もう一点、憲法問題について、市長はそもそも御自分のお考えといたしまして今の憲法は変えたほうがよいとお考えなのか、あるいはもし変えたほうがよいということをお考えであれば、どういう点かということに触れながら、憲法改正についての基本認識をお伺いしたいと思います。 ○副議長(三浦教次君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) 先ほども申し上げましたとおり、国の最高法規であります憲法の改正における議論につきましては、その発議権を有する国会においてなされるべきものであると考えております。 ○副議長(三浦教次君) 井上君。 ◆32番(井上昌弘君) 注視するということだと思います。 この問題につきましては、単に自衛隊を憲法に書き込むというだけで今と変わらないと安倍首相はおっしゃっておられますが、私は変わらないのであれば国民投票での否決のリスクまで背負って提案する必要はないというふうに思います。変えようと言う以上は何らかの意図があると考えるのが普通です。 これまで歴代の自民党政府が積み重ねてきた、今の憲法のもとでは集団的自衛権の行使はできないという解釈を閣議決定で翻し、行使容認に転じ、これをもとに安保法制--私たちは戦争法と呼んでおりますが--この採決を強行いたしました。今の憲法のもとでイラクや南スーダンに行くけれども、戦闘地域には行かない、後方支援だといって自衛隊が派遣をされてまいりました。 しかし、自衛隊の活動日報には、現地での激しい銃撃戦や戦闘行為があったことが記されており、この戦場の真実が憲法の制約と矛盾することから、自衛隊の日報隠しが行われました。 自衛隊が憲法上の存在ということになりますと、こうした制約がなくなり危険な海外の戦地に赴くことも可能となります。また、一般的に後からつくった法律が前の法律に優先するということから、3項に自衛隊の存在を書き加えたら、1項、2項は事実上死文化し、あってなきものになってしまいます。災害救助に頑張る自衛隊、専守防衛に徹するという自衛隊のこの姿が、書き加えるだけで大きく変わるものと考えております。 世界に誇る平和主義を定めたこの憲法9条によって、逆に海外での武力行使が可能になってしまう、こんな3項に、自衛隊を書き加えるという加憲の憲法改正は絶対に許してはならないと強く主張をしておきたいと思います。 次に、朝鮮半島情勢についてお聞きをいたします。 朝鮮半島の南北首脳会談に続き、6月12日には米朝首脳会談が行われました。朝鮮半島の完全な非核化、そして北朝鮮に対する安全の保証の提供、これを米朝が相互に約束するという共同声明を発表いたしました。 日本共産党は、朝鮮半島の対話による平和的解決を一貫して主張し、行動してきた党として、この一歩は大きな一歩だと考えております。まさに、対決から対話へと転換させるために、両国が努力することに合意をしたということに対して、心から歓迎をするものでございます。 そこで、外交の問題ではありますが、隣国でもあり、また韓国慶州市と友好姉妹都市の関係にある本市として、また市長にも核兵器廃絶の署名にも御協力をいただき、朝鮮半島の非核化についても御理解いただいていると思いますけれども、今回の米朝首脳会談の内容あるいは評価についてどのようにお考えでしょうか、お聞かせください。 ○副議長(三浦教次君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) 近年の国際情勢の中でも、特に御指摘をいただきました米朝首脳会談は、我々も、恐らく多くの方が想像できないスピードで外交が進んでいるということのあかしかというふうに存じます。 日本といたしましては、これまでも平和外交ということを軸にしてまいりましたので、奈良市としては外交ということではございませんけれども、国家間ではなかなか築けない交流やつながりを、都市間という舞台でしっかりと努力をし、さまざまな交流を通じて国際平和に積極的に貢献してまいりたいと考えております。 ○副議長(三浦教次君) 井上君。 ◆32番(井上昌弘君) 都市間のつながりを通じて国際平和に積極的に貢献をしていきたいと、評価だけではなくてそういうお気持ちも前向きな気持ちを表明されたというふうに思います。 これまで、安倍首相は安保法制や憲法改正の必要性を口にするときには、必ず安全保障環境が厳しさを増してきたと、とりわけ北朝鮮によるミサイル発射や核実験などが行われ、これらの軍事挑発を最大限に活用して、脅威をあおってきてというのが昨年の実態だというふうに思います。 しかし、一歩とはいえ朝鮮半島の平和に向けての激動が始まろうとしているときに、私は、9条を変えてどうするのかと、武力による紛争解決の放棄を宣言した9条を持つ国として、そして悲惨な原爆の被害を体験した唯一の国として、今こそ非核化、そして平和の朝鮮半島に向けてのイニシアチブを日本こそ発揮すべきだということを強く指摘しておきたいと思います。 国政問題の最後に、モリカケ疑惑の問題、そして自衛隊の日報隠し問題などにつきましての基本認識をお聞きしたいと思います。 底なしの疑惑と言ってもいいと思いますけれども、決裁後の文書が改ざんをされる、また、長期にわたって情報の隠蔽が行われる、そしてある資料をないと国会でも答弁するなど、うその政治が横行していると思います。 国政であれ地方政治であれ、こうしたことはあってはならないというふうに思いますけれども、これら一連の問題について、市長はどのようにお考えでしょうか。 ○副議長(三浦教次君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) 一般論でございますけれども、決裁後の文書の改ざん、隠蔽というものは、やはり行政への信頼を失墜させ、国民や県民、市民からの信頼を揺るがす行為でございますので決してあってはならないことだと考えております。 そういう意味でも、やはり、今全ての行政機関に厳しい目が向けられているということを認識して、市政運営に努めてまいりたいと考えております。 ○副議長(三浦教次君) 井上君。 ◆32番(井上昌弘君) 当然の御答弁かと思いますけれども、あってはならないことだという認識が示されました。 私は、行政の活動を残しておくのは、まず行政の活動がどういう判断で何を根拠に展開をしたのか、これを記録するというのは絶対に必要だというふうに思います。同時に、その行政が国民のための行政として行われているのかどうか、これを国民の側から点検、確認をしていく、そのためにも行政文書の記録というのはきちんと残しておくということが基本であり大事であるというふうに思います。 公文書の保存と公開がなぜ大切なのか。行政にとってはその活動の根拠をしっかりと説明する責任がある、そして国民の権利でもあるという点が大事だと、これは公文書管理法にも書いてあることですけれども、国民主権の一つのあらわれ、そして行政の透明性の発揮と説明責任の遂行という点で、両面からこの問題が非常に重要な課題だということを指摘しておきたいと思います。 次のテーマに移りたいと思います。 庁舎の耐震改修の問題についてお聞きをいたします。 市役所の目の前で、今、県の事業としてコンベンションホール、それからホテルの誘致の事業が進められております。そして、奈良市のこの本庁舎耐震化基本構想が発表されました。 基本構想には、都市的な観点から本庁舎の玄関部分の利活用、そして本庁舎以外の分庁舎的役割を持つ施設を含め総合的に検討すると、今後のことですけれども、耐震化後の庁舎のあり方についても少し踏み込んだ記述がありますので、そうした点について、具体的にはどういうことを意味するのかということについてお答えください。 ○副議長(三浦教次君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) 本庁舎敷地の利活用や総合的に庁舎をどのようにあり方を見直すのかということについては、現在、本庁舎の周辺におきまして展開されております県による大宮通りプロジェクトや県営プール跡地活用プロジェクトなどとあわせまして平城宮跡歴史公園拠点ゾーンの整備事業などがございます。これらを中心に、今後も本庁舎周辺の状況は大きく変化をしていくことになると考えております。 本庁舎の耐震化工事につきましては、平成32年度末までに終える予定でございますけれども、本庁舎敷地の利活用については、周辺環境の変化を見据えて、エリアとしてのマネジメントの視点を持って検討しているところでございます。そのため、必要に応じて利活用に関して庁外にも広く見識や意見を求めることも検討いたしております。 総合的に本庁舎のあり方を議論することについては、分庁舎的な役割を持つ出張所などの機能の拡充、また一方で、少子高齢化などのいわゆる市民ニーズの変化、また民間事業者への委託やAIなどの技術革新など、市役所業務を取り巻くさまざまな環境の変化を総合的に勘案して、庁舎系施設のあり方について議論を深めていく必要があると考えているところでございます。 ○副議長(三浦教次君) 井上君。 ◆32番(井上昌弘君) 今、耐震改修以外にも本庁舎のあり方について、これから総合的に検討していくということでありました。 けさからも議論になっておりますけれども、市庁舎のあり方について、今、耐震改修工事が行われようとしておるわけですけれども、我が党は基本的に簡素で効率的な庁舎であればよいというふうに思っております。 築40年ということですので、一般的に考えて建てかえということはまだ早いのではないかというふうに考えられますし、耐震補強をしっかりと行い、そして必要な長寿命化対策をきちっと行うということの中で、さらに65年が耐用年数というふうに思われますけれども、少なくともそこまでぎりぎりきちんともたせて、その上での建てかえということであればまだ議論の余地があるかとは思いますけれども、現時点ではそういうことではなくて、いかにもたすかということで力を注ぐべきではないかと、そうでなければ、逆に市民の皆さんの理解も得られないのではないかというふうに考えているところでございます。 次に移ります。 きょう、私のテーマの中心点は、奈良県政と奈良市政の間で起きている幾つかの問題について、質問したいというふうに考えております。 その一つは、京奈和自動車道大和北道路の整備の問題でございます。 大和郡山市から奈良市の12.4キロメートルの建設について、NEXCO西日本と国との合併方式で整備をする、そして地下トンネル部分も含めて2032年度中の全線開通を目指すことが公表されております。 24号線の渋滞解消をこの高速道路の整備目的としておりますけれども、私は、高速道路をつくらなければ大変な渋滞が起きるということで始まった目的ですけれども、既に交通量は減少し始めているのではないかというふうに思います。 整備目標の必要性をうたったこの交通量について、計画時と現在の交通量を比較しながら、また、京奈和自動車道の近畿圏での位置づけにも触れながら、この整備の必要性について現時点でどのようにお考えなのか、お答えをいただきたいと思います。 ○副議長(三浦教次君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) 京奈和自動車道大和北道路について、必要性ということでございますが、国におきましては、今年度京奈和自動車道大和北道路の事業化を決定し、NEXCO西日本との合併施行方式によりまして全線の整備を目指し、事業を進めることと発表されたところでございます。 全国道路・街路交通情勢調査によりますと、国道24号の平成17年度と27年度との24時間交通量を比較いたしますと、法華寺町付近で4万5449台から4万6093台に、また、三条大路二丁目付近では3万5028台から2万7986台に、柏木町付近では6万4963台から5万5917台でございまして、減少している箇所もあれば現在も引き続き渋滞しているところもあるという状況でございます。これらを踏まえますと、将来的に渋滞がすぐに解消するという程度の推移ではないというふうに考えております。 京奈和自動車道につきましては、広域的に既存の高速道路等との連携による相互ネットワークを形成し、近畿圏大都市圏での時間短縮を図る役割を持っており、住民生活や経済活動、地域間の交流などに欠かすことができない地方創生のかなめともなる重要な社会インフラだと考えております。 また、排気塔から排出される排気ガスの影響につきまして、平成18年10月に発表されました環境影響評価におきましては、周辺の環境に影響がないものとの評価が出てございます。 また、環境影響評価によりますと、建設工事による地下水位の変動は季節変動よりも小さいため、地下水位変動への影響は極めて小さいと予測されております。 平成18年9月に文化財の保全等の観点によりまして、地下水の状況を把握し、適切なモニタリング方針を定めます大和北道路地下水モニタリング検討委員会を国が設置され、地下水の影響についてのモニタリングを継続し、工事完成まで実施されると聞いてございます。 また、平成30年2月に国は大和北道路地下水モニタリングとリスク低減計画を策定し、計画の中で埋蔵文化財保全に万全を期すため、万が一の異常時にも念頭に置いた対策を講じるとされております。 このように、地下水位の変化による埋蔵文化財への効果的な対策もあわせて講じられるものと考えております。 ○副議長(三浦教次君) 井上君。 ◆32番(井上昌弘君) 今の御答弁で、交通量についてですけれども、この10年間で最も多い柏木町の数字が言われました。ざっとで言いますとこの10年間で、10年前約6万5000台であったものが、現在では約5万6000台、1日交通量は9,000台も減っているということがわかりました。 全線開通を目指すのは14年後だと思いますけれども、さらに減るということは人口減少の中で予測されます。2003年に発表されましたこの京奈和自動車道に関連する有識者委員会の提言では、2020年、2年後には7万4000台にふえるから高速道路をつくるのだというふうに予測をしておりますけれども、既に現時点ではふえるどころか1万8000台も予測が狂っております。これからさらに交通量が減ることを考えれば、渋滞解消を目的とした整備目標の一つが、その根拠が崩れたと言わなければなりません。 大和北道路は、約30年前に計画されたものであり、当時の予測と今日の交通量とは大きな差があり、原案どおりの計画遂行はやるべきではない、計画は見直すべきであるというふうに考えております。 また、京奈和自動車道は、いわゆる関西大環状道路の一環として位置づけられております。京奈和ですから京都、奈良、和歌山、そして大阪、京都、兵庫、これらを円で、環状で結ぶというところに位置づけられておりますけれども、この環状道路を完成させるためには、和歌山と淡路島の紀淡連絡道路ができなければ完成しないわけですけれども、これもかなり困難だというふうに聞いております。明石海峡大橋はできておりますけれども、紀淡海峡大橋ができなければ環状道路としては完成しませんので、これは非常に絵そらごとになる可能性が極めて強いというふうに思います。 そのことを指摘して、次の問題に移りたいと思います。 次の問題は、高畑町の裁判所跡地のホテル建設計画について、数点お聞きをしたいと思います。 この計画は、もちろん県の事業でありますけれども、県と奈良市の関係ですけれども、県は開発行為等について奈良市に申請する立場であり、奈良市はそれを受けて審査し、許可や同意を与えると、そういう立場であるというふうに認識をしております。 まず、この問題に関連して、奈良市は県との関係では開発許可が不要であると判断をしているわけですけれども、都市計画法の第29条第1項第3号では、駅舎等鉄道施設、公民館、図書館等、開発許可を不要とする場合は、こうした公益上必要な施設に限定をしております。 今回の高級ホテルは、企業の利潤追求を目的とするものであり、この条文に言う公益的な施設とは全く関係がなく、開発許可の対象にすべきだというふうに思います。公園管理者である知事が許可したことのみをもって開発許可不要の判断はすべきではないと思います。 奈良市は何をもって高級ホテルが都計法にいう公益上必要な施設と判断されたのかお答えください。 ○副議長(三浦教次君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) 都市計画法の第29条第1項第3号によります施行令で定める公益上必要な建築物といたしまして、都市公園法施行令第5条に規定する公園施設に宿泊施設が含まれます。公園管理者である奈良県が公園施設に該当するものといたしましたため、そのように判断をさせていただいております。 ○副議長(三浦教次君) 井上君。 ◆32番(井上昌弘君) さらに、古都法に基づく歴史的風土特別保存地区内の行為許可申請、これに対しても、既に奈良市は許可をしております。 昨年7月7日に許可をいたしましたけれども、古都法では基準に適合しなければ許可をしてはならないとしておりまして、建築物の新築が許されるのは、農林、漁業の用に供するための物置き等だけであって、このホテルはこうした古都法に並べる事例とは全く異なるホテルとなります。 古都法に基づく許可申請に対して、何を根拠に奈良市は許可をしたのかお答えください。 ○副議長(三浦教次君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) 歴史的風土特別保存地区内の行為の許可基準におきましては、古都における歴史的風土の保存に関する特別措置法施行令第6条の都市公園法に規定する公園施設である建築物に該当するということから、許可の処分を行わせていただいております。 ○副議長(三浦教次君) 井上君。 ◆32番(井上昌弘君) さらに、奈良市風致地区条例に基づく問題ですけれども、県から提出のあった風致地区内の行為の申請、これに対して同意をしております。 奈良市風致地区条例では、国や県の機関等が行う行為については、条例の許可を得ることを要しないとしておりますけれども、今回の事業は、県が土地を貸して民間の事業者が建物を建てて運営するホテルであって、これは協議ではなく許可が必要だと思われますけれども、どうして同意をしたのかお答えください。 ○副議長(三浦教次君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) 平成29年6月12日に奈良市風致地区条例に基づく風致地区内行為許可の協議書が提出された時点では、民間事業者の事業区分は未確定とのことから、行為者は奈良県知事として協議書を受け付け、平成29年7月7日に同意をいたしております。その後、開発事前協議書が奈良県知事と民間事業者の連名で提出されたことから、改めて連名による許可申請の手続を行うよう求めているところでございます。 ○副議長(三浦教次君) 井上君。 ◆32番(井上昌弘君) 要するに、都市計画法の開発許可が不要であるという判断、そして古都法に基づく許可申請についてもこれを許可するという判断、さらには、風致地区条例に基づく申請に対する同意を与えた判断、いずれも県知事がここを都市公園の施設であるということを認定したということをもってそうした判断をしたという、まとめて言うとそういうことだというふうに思います。 ですから、便益施設として宿泊施設を建てるということを知事が判断したということのみをもって、奈良市も具体的な形態や価格や内容について、それが本当に便益施設としてふさわしいものなのかどうかということを判断した上で、そうした許可を与えたというふうにはどうしても思えません。私は、それぞれの法の趣旨に照らして、知事が行った判断について奈良市長が主体的に判断すべきであるというふうに思います。 そこで、現在、奈良市の開発指導要綱があって、これは適用するということで、今、適用されているわけですけれども、この要綱に基づく住民協議の状況について、お聞きをしたいというふうに思います。 この高級ホテル建設反対署名が、現在、約4万筆集まっているというふうに思います。遠い昔から先人が築き守ってきた奈良公園を守ろうとする強い意志がこの署名の中に込められていると思います。 住民協議も住民の方から理解が得られているというふうには到底言えない状況だというふうに聞き及んでおりますが、この奈良市の開発指導要綱に基づく住民協議の状況について、市長はどういう認識を持っておられるでしょうか。 ○副議長(三浦教次君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) 直近の自治会との協議におきまして、計画内容に対する要望事項が示されているというふうに聞いております。それ以上の情報につきましては持ち合わせてございません。 ○副議長(三浦教次君) 井上君。 ◆32番(井上昌弘君) 奈良市の開発指導要綱に基づく協議内容も把握していないということで、おかしいなというふうに思います。 県の事業者募集の要項を見ますと、計画ではことしの1月から工事というふうになっておりますけれども、この6月の現在に至るまで工事はされておりませんので大きく狂っている状況です。 私が聞いた範囲では、住民の皆さんが強く反対しておられる理由の一つは出入り口問題だというふうに聞いております。この高級リゾートホテルの出入り口が1カ所しかなくて、しかも住民の皆さんの玄関と目と鼻の先ということです。ですから、1カ所ですから宿泊客以外にもホテルを営業するためのさまざまな人や車も出入りする可能性があって、いわば、昼夜を問わず人と車の出入りに悩まされるということも十分考えられるということで強く反対をしておられるというふうに認識しております。 しかも、公園ではないところを公園に編入し、そしてこれ以上はないという厳しい法規制がかかったところに、先ほど申し上げましたように、公園の便益施設というだけで厳しい規制をくぐり抜けるというやり方に対しても強く怒りを持っているという、それらが4万筆の大きな署名運動の背景になっているというふうに思います。 そこで、私は、前もこの本会議でこの便益施設という言い分が成り立たないということを具体的に指摘させていただきました。 そこで、きょうは百歩譲ってこのホテルが便益施設というふうにいうのであれば、それにふさわしく誰もが利用でき、そして公園利用に資する宿泊施設として実態を備えているかどうかというのが、都市公園における便益施設としての宿泊施設というのであれば、その実態をきちんと把握することが必要ですけれども、そのポイントは私は価格だと、宿泊料金だというふうに思いますけれども、この宿泊料金は事業者はどのように言っているんでしょうか。 ○副議長(三浦教次君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) 実際に1泊幾らになるのかというところまでは、まだ私は存じ上げておりません。 ○副議長(三浦教次君) 井上君。 ◆32番(井上昌弘君) 事業者は必ず収支計画書というふうなものを出して申請しているというふうに思います。 市長は、把握はしているけれども県が公表していないのでこの場で言えないのか、それとも、全く何も宿泊料金について持ち合わせていないのでわからないので言えないのか、どちらでしょうか。 ○副議長(三浦教次君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) 逆に、料金が安ければ便益施設としては認めるけれども、値段が高ければ認めないという理屈も少し理解しにくいなというふうには思いますが、現時点で、私は1泊2食つきで幾らになるかということについては存じ上げておりません。 ○副議長(三浦教次君) 井上君。 ◆32番(井上昌弘君) それは知事の答弁と同じ理屈です。 私は知っているかどうかということで、料金が多いか少ないかを聞いておりません。 やっぱり、把握もせずにこうした一連の許可を与えたと、住民協議の内容も把握もしていないというふうな中で重要な判断をしたということについては強く問題があるということを指摘しておきたいというふうに思います。 ちなみに、法務省が般若寺町の、老朽化で昨年3月末に閉鎖されました奈良少年刑務所の旧監獄棟をホテルとして活用する計画と、そして運営する事業者を発表した際に、宿泊料金の目安を発表しております。1万2000円から2万円ということです。国民の財産である公共施設にホテルを建設して再生させるわけですから、当然のことだというふうに思います。奈良県が公園の便益施設としてホテルを誘致するのであれば、その公益性に照らして法務省のように公表すべきだというふうに思います。 事業計画も宿泊価格も住民協議も把握することなく許可を与えるということは、絶対にあってはならないというふうに思います。 ヒューリックがこのホテル事業を担うわけですけれども、もう既に関連会社のホームページを見ますと、名前まで既に発表されております。奈良ふふ--ふふというのは平仮名ですけれども--このふふという名前をつけた宿泊施設は、熱海、そして河口湖にももう既にオープンしております。このホームページでは、もう奈良ふふの状況が書いてあるんですけれども、宿泊料金については書いてありません。 ちなみにということで、このホームページには、熱海ふふは最低で4万円以上というふうに書いてあります。河口湖ふふの宿泊プランを見ますと4万5900円から13万5000円ということで案内をされております。スイート仕様ですから、客室単価といたしましては2倍ということになります。県の事業者募集でも、観光、品質基準は最高のレベル3を目指すということをうたっておりますし、客室の面積を50平米以上ということをうたっております。こうした状況を総合的に判断すると、高畑町の高級温泉旅館ということになるというふうに思います。 私は、高級旅館を一概に否定するつもりはありませんけれども、こうして法の網をくぐらなくても立地できるところに建てるべきであります。一部のお金持ちにしか利用できない高級ホテルを名勝奈良公園内に建てるということで、誰もが自由に利用できる開放的な場所として設置される都市公園の公共性が、県と市の行為によって損なわれようとしているのではないかということを強く指摘しておきたいと思います。 次に、国保の県単位化と県の医療費適正化計画について、お聞きをしたいと思います。 数点言っているんですけれども、ちょっと一部割愛する部分がありますが、1つは、ことしから国保の県単位化で保険料の動向がどうかということが気になるところです。 この4月から国保の県単位化がスタートいたしました。2億円の法定外繰り入れの廃止、そして差し押さえの実施、延滞金の徴収、そして保険料の毎年値上げ、6年後には県統一保険料ということで、ますます市民負担増につながる改悪がことしから始まろうとしておりますが、実際のことしの保険料は、県単位化後の初めての年となるわけですけれども、どういう設定になっているでしょうか。 ○副議長(三浦教次君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) 今年度につきましては、所得割につきましては医療分、後期高齢者支援金分、介護分、それぞれが0.1%ずつ引き上げとなりまして、8.3%、2.1%、2.1%といたしております。低所得者の負担増にも配慮しながら、高齢化に伴う医療費の増加に対応するというものでございます。 今後も被保険者の理解を得ながら、持続可能で安定した国保制度の運営に対しての保険者としての責任を果たしていきたいと考えております。 ○副議長(三浦教次君) 井上君。 ◆32番(井上昌弘君) 10年ぶりに所得割が引き上げられたということだというふうに思います。 これまでは、賦課限度額が引き上がって、たしか、今、最高額が89万円だったと思いますけれども、それを少しずつ上げていくということをやってきたわけですけれども、この県単位化によって所得割が上がったということになります。ますます市民の暮らしが大変になるということでございます。 あと、市独自の負担軽減策とか保険者努力支援制度という問題があるんですけれども、これはちょっと時間の関係で省かせていただきたいと思います。 国保の県単位化という問題と、それからもう一つセットで奈良県が打ち出しておりますのが医療費適正化計画という問題であります。 いわば、保険財政の入りの部分を、国保が、県単位化が持ち、そして医療費適正化ということで医療機関などへの支払いの部分、出の部分をこの適正化でコントロールすると。ですから、県単位化と、それから医療費の適正化、この2つで県は奈良県の医療費全体を入りと出でコントロールする立場に立ったというのが私の認識ですけれども、この医療費適正化計画を見ますと、私はびっくりするようなことが書いてあったので、きょうお聞きをしたいと思います。 この適正化計画の中で、奈良県は県独自の診療報酬を設定するというふうに書き込んでおります。これは、今、診療報酬は1点10円ですけれども、これを県独自で設定するということは、例えば0.9円にするとかそういうことだと思いますけれども、そういうことをされると医療機関の経営が危うくなるというふうに思います。 県に見直しを求めるべきではないかと考えますが、この点についての見解をお聞きします。 ○副議長(三浦教次君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) 医療機関の経営ももちろん大事でございますけれども、やはり本格的な高齢化を迎える中で医療費の適正化ということも避けて通れない問題だというふうに思っております。 この県単位化の目標年度の36年度に向けての独自の政策については、詳細な情報がわかりませんので何とも申し上げられないところでございますが、どういう方法で医療費を適正化していくかということについては、さまざまな方策があると思いますので、今後も県からの情報には注視したいと思いますし、市としても医療費を適正化するためにどういうことができるだろうかということは、しっかりと検討してまいりたいと考えております。 ○副議長(三浦教次君) 井上君。 ◆32番(井上昌弘君) この県独自の医療費の診療報酬の設定ということにつきましては、医療関係者はこぞって撤回を求めておられます。 奈良県医師会は、ことしの5月24日、臨時代議員会の名で決議を上げておられます。どういう決議か。診療報酬は、医療機関の利益のためではなく、医療従事者の確保、最新の医療の提供のための医療経営に必要不可欠な原資。地域別診療報酬が導入されると、医療従事者の県外への流出、医療機関の経営悪化により廃業が相次ぎ、県民が安心して良質な医療を受けられなくなる。地域別診療報酬の導入には断固反対すると述べておられます。 それから、奈良県保険医協会もこの5月に決議を上げておられます。県単位で単価を変更することは、同じ保険診療が県によって価格が異なる事態を招き、県境をまたいで患者や医療体制に影響が出ると、断固反対と、5月17日です。 それから、奈良民医連も声明を発表しておられます。診療報酬は、医療機関の収入の源泉であり、命綱である。診療報酬を医療費適正化の調整弁のように扱うべきでない。直ちに撤回すべきというふうに述べておられます。 単価引き下げによって患者負担は軽減されるかもしれませんけれども、こうした医療機関が疲弊したのでは、行くべき病院がなくなってしまうということでは本末転倒だというふうに思います。 私の調べた範囲では、県単位でこうした診療報酬の単価の引き下げをするということをしようとしているのは奈良県だけだというふうに思います。こういうことをやっていいよという法改正がされてもう10年になりますけれども、これをやろうということを医療費の適正化計画の中で盛り込んだのは奈良県だけだというふうに聞いております。保険医協会は、奈良県が悪しき先駆者になってはいけないというふうに決議で述べておられます。 ですから、奈良県が全国で初めて診療報酬単価を引き下げる計画を医療費適正化に盛り込んだ最初の県だということになります。 私は、県内最大の人口と医療機関を抱え、これが実行されたら最も影響を受ける本市として、県にこの無謀な診療報酬単価の引き下げという計画の見直しを求めるべきだと、少なくとももう少し県民的な議論を踏まえた上で、さらには医療関係者の意見も踏まえた上で、慎重な対応を求めるというぐらいの表明を県に対してすべきではないかと思いますけれども、もう一度お答えください。 ○副議長(三浦教次君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) 先ほどもお答えしましたが、やはり総論としての医療費適正化は、これはやはり避けて通れないということは多くの皆様方も御理解をいただけるところかと思います。 その中で、今、県が一つの案として示されているとおっしゃっていただきましたその診療報酬の見直しということは、おっしゃるように確かに医療機関に直接的に与える影響も大きいということは一つの事実だと思っております。ですので、私の理解では、県としてもまだそれを確定させたと、必ずやるというところまで政策決定をされているというふうには理解はいたしておりませんで、さまざまな医療費適正化方策を考えられた中で適切な判断をなさるべきであろうというふうに市としては考えております。 ○副議長(三浦教次君) 井上君。 ◆32番(井上昌弘君) 政策決定したかどうかは私もわかりませんけれども、少なくとも、県が公表した医療費適正化計画の中には、6年後に奈良県医療費をたしか199億円増以内に抑えるという数値、医療費の水準の目標まで決めてあります。ですから、それを上回るようであればこの診療報酬単価を引き下げるということもその計画の中に書いてあります。 ですから、医療費水準に目標を定めるということ自体が私はおかしいと思いますけれども、それを上回ったら診療報酬まで下げると、単価をね。そうしたら、患者にしたら医療が大変だからといって国保料を上げますか、それが無理なら医療機関には診療単価を下げますかと、こういうやり方で医療を進めようとしている、私は悪魔の選択だと、二者択一だと、それを迫るのはおかしいというふうに思いますけれども、これは奈良県民の命と健康にとってゆゆしき改悪だというふうに考えますので、情報も収集していただいて市民の命を守る立場から、しっかりと県に物申していただきたいということを強く要望しておきたいと思います。 次に、ちょっと時間がありませんので、ごみ行政の問題は別の機会に譲りたいというふうに思います。 水道の問題について、企業局長にお聞きをしたいと思います。 水道も、今、広域化が検討されております。 この水道の広域化、いろいろな検討が始まったところだと思いますけれども、広域化による弊害という問題を考えるときに、自己水源を県水で統一してくれと、それぞれの市町村の自己水源はそれによって減らしていくという方向が私は避けられないというふうに思います。 川上村の大滝ダム、この試験湛水によって川上村の白屋地区の地すべりが発生して、その期間が10年に及んでおります。会計検査院は、大滝ダム供用開始のわずか1年後、2014年に大滝ダムの底に大量の土砂がたまり、治水機能の低下を指摘しております。 県水に転換することで自己水源を廃止する動きが県内各地で進んでおります。 企業局長にお聞きしますが、この自己水源を減らしたら災害時の対応に支障を来すと考えますが、局長の御見解をお聞きします。 ○副議長(三浦教次君) 企業局長。 ◎企業局長(池田修君) 一般論として、水源が単一化するといいますか、県水のほかに自己水源があったやつが水源の数が減れば、一般論としては災害時の対応に支障を来すことにはなると思います。 ただ、今回奈良市の例、奈良県内の県域水道一体化構想における奈良市の水道に関していえば、本市の緑ヶ丘浄水場は、県による一体化構想後も一体化構想の3つの基幹浄水場の一つとして位置づけられており、今後も存続する予定であると。現在、本市は給水量の8割以上をこの緑ヶ丘浄水場で賄っており、県営水道への依存率は1割程度となっております。このことから、一体化後においても、本市水道事業の水源形態が大きく変化することがないことから、災害時の対応に支障を来すことはないと考えております。 しかしながら、今の話は奈良市の話ですけれども、他の市町村において、県水転換により自己水源を廃止した水道事業にとっては、議員御指摘のような問題が考えられるということから、本市として各事業体の実情を踏まえた上、県と関係市町村との検討会において、その問題提起はしていこうというふうに考えております。 以上でございます。 ○副議長(三浦教次君) 井上君。 ◆32番(井上昌弘君) 今、大変重要な答弁でございます。 既に県1つの水道広域化をされました香川県の例を見ますと、あそこは早明浦ダム、よく渇水のときにテレビに出てきますけれども、そういう中にあって県の県水統一ということで、今されておりますけれども、最大の矛盾が自己水源の廃止によって渇水やあるいは災害時にそれぞれの自治体が対応できないという、その矛盾に直面しているというふうに聞いております。 ですから、この広域化、さまざまな経費削減効果をうたっておりますけれども、奈良市は多分そういうことはないと思いますけれども、奈良県全体の災害対策という意味でも、やっぱりそれぞれ一つ一つの市町村が災害時にもきちんとお水を供給できるという、自己水源を持っているということが、私は最大の防災対策ではないかというふうに思いますので、安易な自己水源の廃止につながるような県の水道の広域化ということについては、きちんと水道局としても見直しを提案していただきたいというふうに思います。 もう一点ですけれども、水道の民営化の問題でございます。 この問題で2年前の3月定例会では条例否決をされたわけですけれども、その後、幾つかの議論の中で、私、非常に気になる議論を耳にいたしました。とりわけ、昨年3月の定例会でコンセッション方式を導入しようというときに、これは民営化ではないということを--たしか局長は御病気でいらっしゃらなかったと思うんですけれども--代理の理事者の方が答弁されております。 しかし、私も完全民営化ではないということは承知しているんですけれども、民営化ではないと言い切っていいのかと。当然、半官半民でそれぞれ共同出資して新しい会社をつくり、東部山間地域の事業を担うわけですから、これは公設民営化だというふうに定義するのが正しいと思いますけれども、今でも民営化ではないという完全否定の立場ですか。 ○副議長(三浦教次君) 企業局長。 ◎企業局長(池田修君) どうも民営化という言葉にちょっと行き違いがあるといいますか、私の考えでは、民営化という言葉の使い方にどうも二通りあると。一つは、議員おっしゃったように完全民営化というやつが民営化、つまり、民間資本による株式会社で水道をやる、民間資本による株式会社。それは本当の一つのそういう使い方で民営化というのはあるんですけれども、もう一つの民営化の使い方というのは、直営でやっていることに対して、民間的要素を少しずつ、民活導入といいますか、民間委託をしたりあるいは少し責任を広げた形で包括的な委託をしたり、民間的要素を加えていって、ずっと行き着く先は完全民営化ということなんでしょうけれども、そういう直営から民活的要素を少しずつ入れるというのも民営化というわけです。 それで、今回のコンセッションというのは、完全民営化ではないけれども、株式会社による運営をするという意味では後者の意味の民営化であると、おっしゃるとおり公設民営だと。だけれども、株式会社の資本は役所が51%出すという意味では、完全民営化からはかなり遠いガバナンスになるということで、そういう意味で言葉の公設民営ではあるということですけれども、完全民営化ではないという意味では民営化ではないという認識であります。 以上です。 ○副議長(三浦教次君) 井上君。 ◆32番(井上昌弘君) 完全否定された答弁からは、事実上修正されたというふうに思います。 民営化、民営化ということについて、非常にアレルギーが強いということで、とにかく公的責任をすごく強調されているんですけれども、強調すればするほどそれだったら今が一番いいんじゃないかというふうになるわけで、ここはやっぱり事実を正確に捉えて正確な表現をしていただいたほうが、議論の前進には役に立つんじゃないかなというふうに思います。 余り時間がありませんので、県立高校の問題については別の同僚議員の質問に委ねた上で、最後、新斎苑の問題についてお聞きをしたいと思うんですけれども、かねてより関係自治会、今は鹿野園町が大きな焦点となっておりますけれども、関係自治会といたしましては、横井東町、白毫寺町、そして鹿野園町ということで協議が重ねられてきておりますけれども、現時点でそれぞれの当該自治会とはどういう協議が行われているのか、その協議の状況についてお聞きをしたいと思います。 ○副議長(三浦教次君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) 新斎苑についての御質問でございます。 関係自治会との協議の状況でございますけれども、まず、横井東町につきましては、早期に事業への賛意を示していただいている中で、協定書等の調整が最終段階となってございます。今後、住民全体への説明会を開催していただく中で、再度御説明を申し上げ、横井東町自治会としての総意を確認し、今後、地域活性化対策などに対応してまいりたいと考えております。 次に、白毫寺町連合自治会の皆様につきましては、現東山霊苑火葬場の跡地利用や事業の進捗について協議をする中で、東山霊苑火葬場の使用期限に関する合意書を、先日、6月9日に私もお邪魔いたしまして取り交わすことができた次第でございます。やはり、実際にお話をする中で、これまでと違い、事業に対する一定の御理解もいただいている部分も感じるところではございますけれども、今後、地域の活性化に向けた御要望などもお伺いしながら、引き続き対話、協議を重ねてまいりたいと考えているところでございます。 一方で、新斎苑の近隣となります鹿野園町の皆様方につきましては、自治会や対策協議会という場を通じまして新斎苑の工事はもちろんのこと、地域の防災対策、また活性化対策などに関連をする関係課なども含めまして、全市的な協議を重ねているところでございます。 今後も引き続き、地元の皆様方とのさまざまな協議や対話に取り組んでまいりたいと考えております。 ○副議長(三浦教次君) 井上君。 ◆32番(井上昌弘君) それでは、最後になりますけれども、工事開始が6月からということでしたけれども、なかなかそれが始まっていない、まあるる先ほどから述べられているとおりですけれども、市が工事着手のめどとしている6月中の工事が開始をされるのか、その見通しについて聞いて、私の質問を終わります。 ○副議長(三浦教次君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) 工事の見込みということでございますが、現在、工事前の環境影響調査を開始し、工事の事前調査等に必要な各種許認可申請を行うとともに、現場事務所や橋梁等の建設に当たっての協議を関係機関と行い、必要な許認可手続を進めているところでございます。 さきの答弁でも申し上げましたが、事前の調査を6月末からというふうに考えておりますので、6月中の工事の開始ということにつきましては難しいと考えております。 地元の皆様との今後の対話や協議も必要でございますので、そのあたりをしっかりと踏まえまして、当然、安全性も配慮した中で進めてまいりたいと考えているところでございます。(井上昌弘議員「終わります」と呼ぶ) ○副議長(三浦教次君) 24番内藤君。   (24番 内藤智司君 登壇) ◆24番(内藤智司君) 改革新政会の内藤でございます。 会派を代表いたしまして、市長、教育長に一括質問一括答弁で通告に従いましてお伺いをさせていただきますが、今回通告しておりました地域自治協議会への取り組みにつきましては取り下げをさせていただきますので、御了承賜りますようよろしくお願いを申し上げます。 それでは、まず、クリーンセンター関連につきまして、市長にお伺いいたします。 月日がたつのは早いもので、昨年7月の市長選挙からもうすぐ1年が経過しようとしております。そして、仲川市長の3期目が、4年間のうちの1年が過ぎ去ろうとしています。 クリーンセンター問題については、仲川市長は当選後、東里地区での最終建設候補地を白紙に戻し、広域化や現地建てかえをも含め、あらゆる手法によりこの問題の解決を加速させますとして、この間、取り組まれてきました。 私たちもこれまで本会議や常任委員会において、環境清美工場の老朽化も進行し、もし候補地が決定しても新しい工場を建設稼働するまでには約10年程度を要するとされていることから、一刻の猶予もない状況であり、今すぐスタートしなければならない緊急の課題であることを繰り返し、繰り返し質問で訴えてまいりました。 しかし、残念ながらこの1年間、クリーンセンター問題は具体的には何ら見通しや進展が見られないと私は深刻に受けとめております。 そうした状況から、以下、市長にお尋ねをいたします。 これまでの答弁では、市長は近隣市町との広域化にかじを切られたのではないかと理解をしていますが、市長は今期の任期の限られた時間の中でどのように広域化での連携を実現していくのか、その前に最大の課題となる施設建設用地の場所を決める必要があると考えます。 今後のスケジュールについてどのように考えておられるのか、特に3期目の任期の中でどこまで取り組むのかをお示しください。 次に、ごみの減量化施策についてお聞きします。 ごみの減量化施策につきましては、新しいクリーンセンターの供用開始ができるまで現在の工場を何としても延命しなければなりません。最低でもあと10年、そのためにはごみの減量化を図り、1炉を停止させるとの方針を今年度から予算化されたところでございます。 改めてお聞きします。 今年度の具体的な取り組み内容についてお答えください。 また、ごみ減量化に向けた取り組みは、今後の本市の重要課題であることも3月定例会で確認させていただいたところでございます。しかし、減量計画を進めていくためには、市民の協力なしにはなし得ないというふうにも思います。であるなら、新クリーンセンター建設とともに、ごみの減量化施策の必要性を市長みずから市民の中に飛び込むことが、私は一番の早道だというふうに考えます。 市長の意気込みについてお聞かせください。 新斎苑建設事業についてお聞きします。 本年3月に用地取得及び業者決定し、6月着工を目指してこられましたが、現状はどうなっていますか。3月議会後、市長が地元に入り、予定どおり工事できるよう努力すべきだと考えますが、今後の見通しはどうなっているのですか。予定どおり竣工できるでしょうか、お聞かせください。 会計年度任用職員の今後の取り組みについて御質問します。 会計年度任用職員制度の導入に当たっては、3月定例会でも将来を見据えた人事計画についてをテーマとして、その構築に当たっては、専門の職員を配置することや行政経営的な視点の必要性、関係課の連携や役割分担の取り組みについて対応していくとのお答えをいただいたところでございます。 新年度を迎え2カ月を経過したところですが、現在の対応状況と今後のスケジュールについてお聞かせください。 また、同時に仕事の振り分けを適正に行い、適正な人員と業務の遂行を振り分けていかないと市民サービスの低下につながる、直結するというふうにも思っております。どのような仕事の割り振りを考えておられるのかお聞かせください。 職員研修のあり方についてお聞かせいただきます。 民間企業の事業活動においては、従業員、取引先、消費者、投資家など、たくさんの人がかかわっていく中で、こうした人と人とのつながりから成り立っている企業にとって、人権への配慮は不可欠なものであると位置づけています。 また、近年では、企業が社会を構築する一員としてどのような行動をとるべきかを問う、企業の社会的責任、これをCSRと言いますが、そういった考えが定着しつつあります。このCSRにおいても、人権は中心的課題として社員研修の重要なカリキュラムと位置づけられています。 本市の職員における人権研修の取り組みについてお聞かせください。 いじめ防止対策について、教育長に御質問いたします。 今議会において、議案第68号及び議案第69号にいじめ防止対策推進法に基づく組織について、条例の一部改正や条例の制定が提案されています。 また、この4月には、奈良市いじめ防止基本方針を奈良市と奈良市教育委員会から出されたところでございます。 そこで、教育長にお聞きします。 これまでのいじめ防止対策の評価と課題について、2つ目、いじめ防止基本方針策定に当たっての思いについてお聞かせください。 以上で第1問目を終わります。 ○副議長(三浦教次君) 市長。   (市長 仲川元庸君 登壇) ◎市長(仲川元庸君) ただいまの内藤議員からの御質問にお答え申し上げます。 まず初めに、クリーンセンターについての御質問でございますが、今後のスケジュールについて、特にどう考えているかということでございます。 まず、広域化の推進につきましては、本市の果たすべき役割とイニシアチブを発揮しながら、関係市町との調整や連携を進めることが重要だと考えており、各市町の市長、町長との綿密な連携を図りながら、広域化実現の可能性を具体的に探ってまいりたいというふうに考えております。 そのためには、広域化による施設の建設候補地の見通しをつけることがやはり一番重要な課題でございますので、本市の果たすべき役割や立ち位置、また交通アクセス等の利便性なども考え、本市が中心となって広域化の適地を選定していく必要性があると考えております。 候補地の選定につきましては、具体的な内容はお示しできる段ではございませんけれども、さまざまな角度から建設の可能性を検討しておるところでございます。 また、一方で、現地建てかえの可能性ということにつきましては、今後もさまざまな機会を通じ左京地区住民の皆様の御意見などをお聞きしながら、新クリーンセンター建設についての御理解も深めていきたいというように考えております。 また、御指摘をいただきましたごみ減量化につきましても、当然、市民の皆様の御理解、御協力がなくては進められないものだと考えております。 私に与えられたこの3期目の限られた時間の中で、早期に見通しをつけ、着実に事業を進めてまいることが大きな責任だと認識いたしております。 また、ごみ減量化の今年度の具体的な取り組みについてでございますが、まず、チラシや包装紙、紙袋などのいわゆる雑紙と呼ばれるものを、リサイクル可能な紙類として再資源化することで、ごみの減量化を図る取り組みにつきましては、これまでも取り組みを進めてきたところでありますが、ことしは特に力を入れ、来月号、7月号の市民だよりでも雑紙を特集させていただく予定でございます。 また、さまざまな場面を捉えまして、議員御指摘のように市民の協力を得るために、私自身も先頭に立ってこの取り組みを進めてまいりたいと考えております。また、あわせまして、自治会等の地域団体の皆様に対しましても、この古紙等の集団資源回収の取り組みを一層進め、雑紙の分別、収集にも御協力をいただけるようにお願いをしてまいりたいというふうに考えております。 また、雑紙の再資源化に際しましては、協力をいただく再生資源回収業者の協力も必要でございますので、御協力をいただける事業者を募集し、登録や公開をすることで自治会等での雑紙の集団資源回収がスムーズに進むように情報提供を行ってまいりたいと思っております。 また、ごみに占めます、特に質量で大きなウエートを占めます生ごみがございますが、生ごみにつきましては、生ごみ処理機器の購入費用助成制度につきまして、これまでに比べまして約3倍の360万円に補助金の総額を増額いたしました。補助率2分の1の購入助成のうち、電気式の生ごみ処理機の上限額を前年度よりも1万円増額し3万円とし、ごみ処理機器の利用促進に努めてまいりたいと考えております。 また、ごみ減量につきましては、やはり子供たちへの教育も重要であると考えております。特に、小学校4年生の全クラスにダンボールコンポストのセットを配布し、ごみ減量とコンポスト化の仕組みについて学んでもらうことで、学校教育を通じて家庭からごみ減量の機運を高めてまいりたいと考えております。 そのほか、生ごみの水切り、また分別の徹底につきましても、市民だよりなどを通じてこれまで以上に啓発活動に力を入れ、ごみの減量化を進めてまいりたいと考えております。 また、ごみ減量化に向けた私の意気込みについてという御質問でございます。 老朽化いたしました現在の環境清美工場焼却炉の負担の軽減、そして新たに計画いたしております新クリーンセンターにおいても、よりコンパクトな規模にするということが重要でございますので、そのためにも市民の皆様に御協力をいただきごみの減量化を進めていくということは、特に重要な課題だと認識いたしております。 雑紙の再資源化、生ごみの水切りなどの徹底につきましては、先ほども申し上げましたように、これまでよりも範囲を広げて地域のさまざまな団体様にも御協力をいただきながら広げてまいりたいと考えております。 続きまして、新斎苑についての御質問でございます。 工事の今後の見通しなどについてということでございます。 現在の状況と今後の見通しについては、まず6月上旬から本工事前の環境影響調査を始めており、引き続き6月末からの工事の事前調査を実施する予定をいたしておりまして、その後の工事の着手と考えてございます。 新斎苑の建設事業につきましては、建設地の地元でございます横井東町につきましては、事業への御理解もいただき、その上でこの事業を契機とした地域活性化対策について、協定書の締結を視野に最後の詰めの段階となってございます。 また、現東山霊苑火葬場のございます白毫寺町につきましては、現施設の使用期限等について協議を重ね、先日、合意をいただきまして、地権者であります西勝寺様と合意書を交わさせていただいた次第でございます。 今後も要望のございます県道奈良名張線の交通対策などについても、引き続き地元の皆様の御意見を伺い、協議を続けてまいる所存でございます。 また、近接地であります鹿野園町につきましては、これまでも対策協議会と協議を重ね、工事そのものを初め、さまざまな地域課題の解決についても多くの御要望を頂戴している状況でございます。その中では、一部既に対応をさせていただいているものもございますが、それ以外につきましても、引き続き真摯に協議をしてまいりたいと考えております。 また、鉢伏街道東側の工事車両の通行問題につきましては、市といたしましては、本橋架橋までの期間だけに限定し、交通安全対策や通行時間帯、また通行量など、できる限り近隣の住民の皆様の負担のないように対応することを、来週にも事業者も交え地元に説明に上がる予定をいたしております。先ほど来の質問でも出ておりますが、継続的な協議を行っている状況でございますが、今後、いよいよ大詰めということでもございますので、私も伺い、説明に上がらせていただきたいと考えております。 また、その後、地域の住民の皆様方を対象にした工事説明会も開催させていただく予定でございます。 あくまでも、平成33年3月末までの竣工を引き続き目指し、精いっぱい努力をしてまいる所存でございます。 続きまして、会計年度任用職員についての取り組みでございますが、今年度から人事課に担当の係を設置させていただきました。現在、臨時・非常勤職員の任用に係る実態把握を全庁的に進めており、課題の精査を行っているところであります。 今後につきましては、報酬の水準や勤務条件、新制度を運営するための体制などを検討しまして、よりよい制度に仕上げてまいりたいと考えているところでございます。 関連の条例案の提出については、内容の困難度、また膨大な作業量を鑑みますと具体的なスケジュールはまだお示しできる段ではございませんけれども、平成32年4月の新制度の実施に向けて、じっくりとよりよい制度を練り上げることに力点を置き、粛々と着実に進めてまいりたいと考えているところでございます。 また、適正人員での業務の割り振りについてどう考えているかということでございますが、これまで正規職員の定員適正化を進める中におきまして、効率的で効果的な行政運営を行うために臨時・非常勤職員を増員してきた経緯がございます。今後、ますます行政需要が多様化していく中におきまして、市民サービスの質を維持するということはもちろん、向上させていくためには組織力をいかに高めるかということも重要な課題だと認識いたしております。 会計年度任用職員制度への移行につきましては、やはり御指摘のように業務量に見合った適正人員がどうであるのかということを見直すよい機会にもなると考えております。 現状の臨時・非常勤職員制度の実態や課題を踏まえた上で、人事課、そして行政経営課が緊密な連携を図ることによりまして、改めて正規職員が行う業務、そして任期付職員が行う業務、会計年度任用職員が行う業務、さらには民間部門に委託をするべき業務などについて、いわゆる業務の切り分け、業務付与のあり方について抜本的に見直すことが重要だと考えております。 当然のことながら、財政的な制約も踏まえつつ、さまざまな雇用形態の職員によるいわゆるベストミックスを導き出すことで、組織力を最大化してまいりたいと考えております。 続きまして、職員に対する人権教育の実施状況についてでございますが、人権尊重の精神を当たり前の社会意識として身につけ行動し、一人一人の尊厳が大切にされ守られるまちづくりを目指すためには、まず職員が人権に対する意識を持つことは当然のことだと考えております。 これまでにおきましては、外部の講師を招きまして、平成28年及び29年には新規採用職員向けの研修を行ったところでございます。また、本年度につきましても研修カリキュラムに入れるなど、実施を予定いたしており、今後も職員に対する人権教育の充実に努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(三浦教次君) 教育長。   (教育長 中室雄俊君 登壇) ◎教育長(中室雄俊君) 内藤議員の代表質問にお答えをいたします。 まず、お尋ねの奈良市のいじめ防止対策についてでございますが、校長OBや警察OBで組織される学校支援コーディネーターが、学校訪問を通していじめの対応に関する学校体制の確認や学校の様子を観察するなどして、適切な指導を行っております。また、全ての市立学校にいじめ対応の中核となるいじめ対応教員を位置づけ、資質向上を目指し月1回の定例研修会を行っております。 しかし、一方で、いじめの認知やその後の対応に関する学校間の差異が課題として見えてまいりました。こうしたことから、その差異を埋めるため、今年度よりいじめ対応支援員を8中学校区に配置をし、校区内の小・中学校を巡回したり、緊急時には配置校を離れ、必要な学校へ出向き対応に当たったりする計画をしております。 市教委といたしましては、学校訪問を強化して各学校の実態に合ったきめ細かな指導を行っているところでございます。 続きまして、いじめ防止基本方針の策定に当たっての思いについてでございますが、昨今、いじめで命が失われる重大事態が後を絶たない中で、いじめは人間の尊厳にかかわる重大な人権侵害であり、全ての子供が安心して学校に通い、学び、笑顔で帰っていく、そのような当たり前の毎日を送れるようにするという強い思いの中で策定をいたしました。 このような思いを踏まえまして、奈良市のいじめ対策を強化するためには、奈良市いじめ防止基本方針を学校、保護者、地域に根づかせる必要があると考えております。そのためには、保護者や地域の会合などあらゆる機会を利用して周知をし、内容を御理解していただくなどの取り組みを進めてまいります。 今後、既に施行しておりますいじめ防止対策推進法や奈良市いじめ防止基本方針に基づいた取り組みを行い、全ての学校が設置をいたしておりますいじめに特化した校内委員会の強化や、奈良市が行ういじめの相談窓口の拡大などの取り組みを進めてまいりたい、このように考えております。 以上でございます。 ○副議長(三浦教次君) 内藤君。 ◆24番(内藤智司君) ありがとうございます。 2問目は、自席から行わせていただきます。 数点、再質問をさせていただきます。 まず、クリーンセンター計画についてでございますが、これまでの答弁では、残念ながら市長からはっきりとしたスケジュールをお示しいただけなかったので、改めてお聞きをいたします。 市長任期のあと3年の工程スケジュールについて、どのように考え、任期中の道筋をつけようと考えているのかお聞かせください。来年のこの6月の議会で同様の質問をしていかなければならないのか、そうした停滞をしない、停滞したままでないように確実に進めていただきたいという思いから、質問をさせていただきます。 新斎苑事業についてでございます。 このまま地元との協議において、鉢伏街道の使用が難しいということも想定されるわけですが、そうなればいつ現地の着工ができるのかということが、非常に朝からの質問でも皆さんが、我々が不安に思っているところでございます。 それならば、当初想定のように仮設の橋を設置するのも一つの方法だと考えますが、市長のお考えをお聞かせください。 本来、今月にも現地工事を着工の予定が、現時点では入れていない中で、現在、契約された工事工程から平成32年度末の竣工をするなら、最終いつまでに現地の着工をしなければならないのかお聞かせください。 教育長に、いじめ防止基本方針の策定に当たって、1点再質問させていただきます。 今、御答弁の中にありましたように、SNSの利用や24時間対応の新たな相談窓口ということもお聞かせいただきましたが、それに関する先進市の取り組み状況について、調査されているようであればお聞かせください。 以上で2問目を終わります。 ○副議長(三浦教次君) 市長。
    ◎市長(仲川元庸君) 2問目は自席からお答え申し上げます。 クリーンセンター建設計画について、3年間の具体的な工程をということでございます。 なかなか難しい課題でございますので、具体的な工程をお示しすることは不可能だと考えております。 ただ、一方で、このクリーンセンターの建設問題は、私にとりましても、また奈良市にとりましても、最優先の課題であるということは十二分に理解をしているつもりでございます。今、さまざまな可能性について具体的な調整、また検討を進めさせていただいている段階でございますので、今後の具体的なスケジュールを申し上げる段階ではございませんけれども、以前から申し上げております現地や広域化も含めて、あらゆる方策の中で早期に解決できる方策を具体化させていくことが私の大きな責任だと考えております。 当然のことながら、これは新斎苑問題についても同様でございましたが、やはりこのような難事業につきましては、場所を選ぶということが非常に大きな課題であり、ポイントであると考えております。この部分につきましては、当然、私が先頭に立って候補地を決定させていただくということが重要でございますし、また、地元や市民の皆様にもさまざまな御協力をいただくことも必要になってこようかと考えております。 何十年に一度の大事業であり、かつ難事業であるということでございますけれども、しっかりと私の与えられた任期の中で近隣の関係市町との調整も含めて、今後の方向性を確定させてまいりたいというふうに考えております。 続きまして、新斎苑についての御質問でございますが、仮設橋をかけてはどうかということでございます。 鉢伏街道につきましては、鹿野園町の町内を通る西側については工事車両の通行は行わないということを、既に地元の皆様方にもお約束をさせていただいております。 また、一方で、東側の利用についてということでございますが、一般公道であり市としてもできる限りの努力をするということを、しっかりと御説明を申し上げていきたいというふうに考えております。 この仮設橋の話については、事業者の募集の段階で、募集要項の中で計画地から東側の鉢伏街道を工事車両の搬入に使用することを妨げず、また仮設橋の設置につきましても事業者提案とするとさせていただきましたことでございますが、事業者からは仮設橋を設置せずに鉢伏街道を活用する案を提案されてきたという経緯がございます。 市といたしましては、この提案に基づき、計画地東側の鉢伏街道を本橋架橋までの間については最小限利用してまいりたいと考えております。 事業のスケジュールにつきましては、現地における調査といたしまして、本工事前の環境影響調査を行っており、当初より7月以降に土木工事を予定しているということでございますので、工程どおりに取り組んでいるというところでございます。 現時点において工期がおくれているということではございませんので、当初どおり平成33年4月の供用開始に向け、着実に事業を進めてまいりたいと考えておりますので、御理解を賜りますようよろしくお願い申し上げます。 ○副議長(三浦教次君) 教育長。 ◎教育長(中室雄俊君) 2問目でございますので、自席からお答えを申し上げたいと思います。 新たな相談窓口に関する先進地の取り組みということでございますが、既にSNSによる相談窓口を開設いたしました本市と同規模であります千葉県の柏市の平成29年度の導入実績は、メールでの相談が3件、電話相談が12件、最近の子供たちが日常よく使うSNSでの相談が133件となっており、従来の電話やメールによる相談件数をはるかに上回っている状況でございます。 また、同市は、期待される効果として、相談件数の増加、いじめの早期発見や早期解決だけではなく、いじめの抑止効果も期待されることや、いじめだけではなく子供たちからのさまざまな相談に対応できることなどを挙げております。 さらに、電話相談につきましては、事業者によりますと、子供たちからの相談の多い時間帯は午後9時から午前1時であり、夏休みには午前2時から午前4時に相談が多くなるという実態がございます。 そこで、奈良市といたしましては、このような実態を踏まえまして、今年度、いつでも気軽に相談ができるより充実した相談体制とするために、平日は午後5時以降翌朝9時まで、土日祝日は終日に拡大し、24時間体制としてまいります。 このように、SNSや電話による相談件数の増加が見込まれることから、新たにカウンセリング業務の経験がある相談員1人を任用し、より丁寧に相談対応ができる体制を構築し、児童・生徒の命を守っていきたいと、このように考えておるところでございます。 以上でございます。 ○副議長(三浦教次君) 内藤君。 ◆24番(内藤智司君) ありがとうございました。 それでは、3問目は意見、要望とさせていただきます。 数点について意見、要望をさせていただきます。 クリーンセンター建設計画についてでございますが、市民の日々の快適な生活に直結しているごみ処理行政、ごみ処理の施設の整備のおくれが市民生活に影響、混乱を及ぼすことは行政としては絶対に避けなければならないことであり、この問題の進捗が停滞することが許されないことは、市長も十分御認識いただいていることと思いますが、時間の猶予のない本市の状況から、この課題のスピードダウンや先送りは許されないものというふうに思います。 しかしながら、現実にはクリーンセンター問題は市長公約のように加速となっておらず、この1年間、やはり見た目は停滞しているとしか見えない、それは朝からの各議員さんの意見もそうであったのかなというふうに思います。 ただ、御答弁の中で、候補地の選定については具体的な内容は現時点では差し控えるとあったことを言いかえれば、次のタイミングには提案できるのか、また、どの段階ならできるのかと期待できる御答弁とも受けとめてもいいのでしょうか。市長の中では加速しているとの自信があるのでしょうか。 私は、奈良モデル、広域化に反対しているわけでございません。しかし、近隣5市町で勉強会が始まったばかりでございます。いつまでにこの広域化の議論をまとめられるのか、また、建設候補地はこの広域化が固まってから候補地を探しにいくのか、市民には、私たちには見えません。 やはり、市長が先ほど言われたイニシアチブをとっていかなければならないのは、広域化をしていく中においても私は同じことだというふうに思います。候補地があって、そこに対して広域化をどうしていくのかという議論があるのではないかなというふうに思います。 いずれにしても、行政の責任として市長みずからが先頭に立ち、奈良市にとって最適な手法を早く決断してください。そして、この問題を具体的に本市としていつまでに何をするのか、市民にわかりやすく説明し、着実に進めていただくよう引き続き重ねて強く要望しておきます。 そして、ごみの減量化について、1点、ちょっと御答弁の中で気になった言葉がございまして、地域の中に私もみずから率先してという話を言われたと思うんですけれども、「私も」ではなく、やはり「私が」であるというふうに思います。やはり、主語が「私も」になれば、何か担当課が行ってやればその中で「私も」行くというというふうな表現にも聞こえます。「私が」率先して行くべきだろうというふうに思います。 これは、後で申し上げます新斎苑の中でもその表現があったので、もう一度指摘はしておきたいというふうに思いますが、とりあえず市長がみずから市民の中に入ってごみの減量化を訴えていくことで、クリーンセンターの建設にはどうしても必要だということを訴えていけば、私は市民の心には響いていくというふうに思います。ぜひともよろしくお願いをいたします。 新斎苑事業についてでございますが、市長は今月中に事業着手ということで、早期に住民の理解を得て事業に取りかかる、努力すると答弁されています。 しかし、現実問題としてこれまで工事着工されていない--これは現地着工です、現地着工をされていない、ほかの事業は工事の準備は進められているというふうに聞いております。 ブルドーザーが入って、ユンボが入ってということが、やっぱり見通しがついていない。これはやはり事業者募集に当たって、当初募集では工事車両は鉢伏街道を通行せず仮橋で対応するとして周辺住民の皆さんに説明し、我々議員にも同様の説明をされてきたと認識しています。そのような中で、事前に何の説明もなく工事車両が鉢伏街道の一部を使用することを可とすることへ募集要項を変えたことで、市長に対する不信が出てきたのだと想像できます。 やはり、住民の不信を払拭させるには、市長がもっと早く住民の皆さんに説明をし、頭を下げて理解を求めるべきではなかったでしょうか。このまま住民の皆さんと協議し、理解を求め、市長への不信を払拭するにはどれぐらいの時間を要するのでしょうか。 午前中の御答弁では、今後は私も地元に入って協議に参加させていただくというふうにありました。3月定例会後、なぜ、すぐみずから地元住民の皆さんにお願いに行かなかったのですか。なぜこれからなんですか。市長の政治姿勢が見えません。 市長が言う協議や調整が本当に早期に整い、事業に着手できるのであれば、私はそれが一番だというふうに思います。本市の新斎苑事業は平成33年4月から供用開始が必須でございます。おくれることは考えられないと思っています。万一おくれるということになれば、火葬場を利用される市民の皆さんに当然迷惑をかけることとなります。市外の火葬場を利用ということになれば、利用者に補助金を出さなければなりません。工事延長に伴う工事費がふえるかもわかりません。後々の事業費増大も考えられる中で、周辺住民の皆さんの感情を考えれば、今、費用をかけてでも仮設の橋を建設するということも、私は一つの決断ではないかというふうに考えます。 仮設の橋を建設するに当たっては、さまざまな問題があるというふうにも聞いております。予算措置や法的な問題、そのために我々議員の、ひいては市民の皆さんに理解をしてもらわなければならないかもわかりません。しかし、それで33年の供用が可能になるならば、私みずからも市民の皆さんに訴えていきたいというふうに思っております。 いずれにしても、新斎苑はこれから何十年も近隣住民の皆さんとともに共存していく施設であることから、強行に鉢伏街道を通行するということは絶対にあってはならないというふうに思います。住民の皆さんの気持ちに寄り添っていただきたいと思います。 会計年度任用について、1点だけ、ちょっと市長の答弁の中で疑問に思ったことが出ましたので確認をしておきたいと思いますが、その中で財政の制約も踏まえつつという表現をされました。これは、国会のマニュアルをつくる中でも議論をされております。 会計年度任用の適用の中では、フルタイム、アルバイト、パートタイム、こういった任用もあるわけでございますが、フルタイム、いわゆる7時間45分でいけばこれはフルタイム任用になるわけです。そこに時間がわずかでもショートすれば、これはパートタイムになるわけです。そうすることによって、支給する水準なり支給する項目なりが変わってくるわけでございます。例えば、7時間45分の勤務をたとえ15分でも30分でも短く勤務できないかというふうな持っていき方をすれば、これは本末転倒でございます。 要は、この会計年度任用の適用というのは、導入というのは、非正規職員の処遇改善が一つの大きな目的でございます。要は、同じ仕事をしているのになぜ同一賃金にならないのだということや、仕事の切り分けをきちっとしなければならないでしょうというところの導入に当たっての考え方でございますので、こういった国会の審議、問題となった論点をきちっと理解しながら進めていっていただきたいと思います。 その財政措置は総務大臣が特別交付措置で国が賄うというふうにおっしゃっているわけでございますから、その辺についても十分精査をしていただきたいと思います。 それから、いじめ防止基本方針の策定に当たってでございますが、1点、2問目で答弁いただいた中身でお願いをしておきたいんですが、新たな相談窓口に対する先進市の事例を挙げ、その対応策についても御答弁をいただきました。24時間対応の相談窓口やSNSによる相談窓口で相談件数が増加したということでございます。 危惧するのは、相談の取りこぼしがないか、そこの対応に対しては、今、教育長もその対応策を講じていただいているわけでございますが、中にはやっぱりいたずらとか嫌がらせといったものもあるかもしれません。特に、SNSというのは非常にそういった危険があるかなというふうには思いますが、それでも、それがいじめに発展しなければそれはそれでいいんです。 しかし、その中の1件を取りこぼしたことによって、それがいじめに発展していくということになれば、何のためにSNSか、相談窓口かということになりますので、このいじめに対しての議論は3月議会に、予算のときに相当議論させていただきました。しかし、今、奈良市と市教育委員会としては、この方針をとられて、今、その準備を進めていただいているところでございます。ならば、それをきちっと展開できるよう、今、教育長の答弁にありましたように、強くそれは私も要望させていただきたいというふうに思います。 最後に、市長に一言、市政について私なりの思いを伝えさせていただきたいと思います。 今回の質問の大項目は、市長の政治姿勢についてであります。 先般、日大のアメリカンフットボール部の事件があったこと、マスコミ等連日にわたり報道されていたことはまだ私たちの記憶に新しいところだというふうに思います。 この問題が日本全国に広がる社会問題となったのは、単に選手が犯した悪質なタックルが重大な反則であったということだけではなく、そのプレーが指導者の指示によるものと思われること、そしてその指示に従わざるを得ない状況に選手を追い込んでしまった行き過ぎた指導があったこと、また、そういった指導を行う指導者に周りが意見を言うことができない組織体質があったことが原因ではないかと報道されていました。 それでは、なぜ周りが監督に物が言えなかったのでしょうか。この指導者は、この大学の人事担当の常務理事であり、人事権を持っておられ、理事長に次ぐ事実上の日大のナンバー2とも称されていました。そして、34の運動部の予算を管理するポストも兼ねており、自分の意とそぐわなければ異動させるといった人事権、運動部の予算を握って配分するといった予算権を持っていた、周りが言うことを聞かざるを得ない状況にあったということです。このような背景により、あの問題が起こったのではないかということです。13人のコーチがおられました。1人でも、監督だめですと言える人がいたらあの事件は起こっていなかったのではないでしょうか。 しかし、このようなことはこの大学だけでもなく、一般的に企業の経営トップにもあり得ることも話題となっていました。人事権、予算権を握った経営トップから有無を言わさない労働環境を生み出し、それによって社員が精神的に追いやられ、疲弊し、精神疾患に陥り、退職し、最悪の場合自殺したりといったことも起こり得るということです。 人事権、予算権を握った経営トップ、あの監督と同じ境遇に立っておられる市長は、どのように感じておられますか。やはり、権力、権限を持った者こそ、人の意見に耳を傾ける謙虚さが必要なんだろというふうに私は思います。 最後に、市長に聞いて終わります。 市長が職員として採用されていたら、年齢からすると恐らく係長ぐらいかなというふうに思います。職員仲川元庸係長は、仲川げん市長の今のもとで働いていて、やりがいを持って自分の能力を発揮し、生き生きと働くことができると思いますか。 御答弁は要りません。一度立ちどまって、振り向いて、ゆっくりとした気持ちでお考えいただければ幸いです。 以上で質問を終わります。ありがとうございました。 ○副議長(三浦教次君) 議事の都合により、暫時休憩いたします。   午後2時47分 休憩   午後3時30分 再開 ○議長(北良晃君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。----------------------------------- ○議長(北良晃君) 代表質問を続行いたします。 31番鍵田君。   (31番 鍵田美智子君 登壇) ◆31番(鍵田美智子君) 市民の声 奈良、鍵田美智子です。本日最後の質問となり、会派を代表し、早速、始めさせていただきます。 昨年、新しい仲間とともに新たな奈良市議会がスタートをし、間もなく1年のときを迎えようとしております。市民感覚を肝に銘じられた市長とともに議会も一丸となり、市政運営の両輪として我々議員も日々議論をし、政策提案などをしてまいりました。 この間、国におきましては、国民感覚とほど遠いところで議論を繰り返す場面を1年以上にわたり目にすることとなり、行政の説明責任が果たされず、国民には理解できない場面も数多くあり、行政のあり方が問われることとなっており、改めて我が事として受けとめる必要性があるのではないかと感じております。 奈良市においては、長年の懸案事項でありました新斎苑建設の具体的な進捗の道筋が見えてこず案じておりましたが、本市及び関係者の皆様の鋭意努力の中で、白毫寺町との合意形成に至り、平成33年3月末をもって現施設の使用が停止をすることが決まりましたこと、会派を代表して御礼を申し上げたいと存じます。そして、長年、白毫寺地区の皆様におかけしてきました艱難辛苦に対し、ねぎらいの言葉とともに、あわせて御礼を申し上げたいと存じます。 そして、東山霊苑火葬場で奈良市の葬送の業務をとり行っていただいてきた関係職員の皆様にも心より御礼を申し上げますとともに、これよりは白毫寺地区や関係者の皆様とともに新たなまちづくりのスタートができますことを、行政関係者の皆様には要望しておきたいと思います。 今議会での新斎苑の質問は同僚議員に委ねますが、新しく建設される新斎苑が、これまで御尽力をいただきました関係者の皆様の労に報いるためにも、よりよい施設となるよう、また建設が一日でも早く進められますよう一層の努力を行政、議会がともに協力し、推し進めることを市民の声 奈良は強く表明し、代表質問を始めさせていただきます。 本日は、市長に一問一答でお伺いいたします。 初めに、介護保険に関連する質疑から行います。 本年4月から第7期介護保険事業計画の事業期間が始まり、介護保険料の基準月額の見直しにおいて、本市では18.7%の伸び率となり、基準月額で920円の増額となりました。高齢化が一段と進み、介護認定者数が増加し、給付とのバランスをとられたことは十分に理解をできるところですが、問題は、サービスの内容が負担に見合ったものになっているかということであります。 私は、さきの第6期介護保険事業計画の中で、地域包括ケアシステムの構築の問題点について議論をしております。本日は会派を代表して、その議論をさらに深めていきたいと考えております。 平成29年4月には、地域包括支援センターが11圏域から13圏域となり、1法人が3圏域を受け持つという不可思議なスタートを切られたことも記憶に新しいところです。また、介護予防・日常生活支援総合事業も同時期に開始するということでもありました。 平成29年度から開始された介護予防・日常生活支援総合事業の進捗事業を含めた地域包括ケアシステムの構築に向けた状況について伺います。 以上で1問目を終わります。 ○議長(北良晃君) 市長。   (市長 仲川元庸君 登壇) ◎市長(仲川元庸君) 鍵田議員からの御質問にお答え申し上げます。 介護予防・日常生活支援総合事業の進捗状況でございますけれども、本市におきまして平成29年4月から開始いたしております同事業につきましては、以前の介護保険サービスの予防給付から地域支援事業への移行において、利用者に大きな混乱を来さないようスムーズな移行に取り組んできたところでございます。 今後、高齢者人口がより一層増加する中で、持続可能な仕組みづくりを構築するため、今後の住民主体のサービスも検討していく必要があると考えており、できるだけ早期にサービスメニューをお示ししてまいりたいと考えております。 そのことで、全ての市民の皆様が、将来にわたり住みなれた地域で安心して継続した生活を送ることができるよう、地域包括ケアシステムの構築に取り組んでまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(北良晃君) 鍵田君。 ◆31番(鍵田美智子君) 2問目以降は自席より行います。 地域包括支援センターを強化するために客観的評価を行うべきと考えますが、外部有識者による委員会の設置状況についてお伺いいたします。 ○議長(北良晃君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) 自席でお答え申し上げます。 客観的評価の必要性についてということでございますが、地域包括支援センター機能の強化につきましては、以前より検討を重ねてきたところでございますが、平成29年5月の地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律の成立によりまして、地域住民と行政等との協働による包括的支援体制づくりなど、地域共生社会の実現に向けた方向性が示されたところでございます。 このことを受けまして、これまでの高齢者の方の身近な相談窓口機能に加えまして、今後、高齢者人口の増加による圏域数、地域自治協議会との連携も含めて必要な機能についても議論をしております。 また、議員お述べの客観的評価については、市といたしましてもその必要性を認識いたしており、今後、地域包括支援センターの機能強化を進める中で、本市が目指す福祉のまちづくりのビジョンを整理し、多様な観点から御意見をいただける有識者を選考し、委員会を設置してまいりたいと考えております。 ○議長(北良晃君) 鍵田君。 ◆31番(鍵田美智子君) 有識者委員会の設置を考えていただくこと、地域包括支援センターの機能強化を図る上では大変大きな決断をされたと評価いたします。 基幹型包括支援センターの必要性と設置についてはいかがでしょうか、お考えをお伺いいたします。 ○議長(北良晃君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) 基幹型の包括支援センターにつきましては、その必要性を認識いたしております。 現在、地域包括支援センターが地域の高齢者やその家族の身近な相談窓口としての役割を担っておりますが、その後方支援体制として、成年後見制度の利用促進のための法律的な助言や、病院から在宅へのシームレスな移行ができるように、権利擁護センターや在宅医療・介護連携支援センターを本年4月に開設をしたところでございます。 これらの機能によりまして、基幹型包括支援センターとしての一定の役割についても果たせるものと考えております。 ○議長(北良晃君) 鍵田君。 ◆31番(鍵田美智子君) 次に、急速に進む高齢化の中、団塊の世代が後期高齢者となる2025年、認知症高齢者数は高齢者の5分の1に達すると言われております。 このような中、地域包括ケアを実現するための課題の一つとして介護の担い手不足が挙げられ、本市でも地域の中で連携しながら、担い手の育成に力を入れておられます。その取り組みの一つとして、認知症サポーター養成講座などが挙げられますが、今後、養成講座を受講した人の活用などを含め、地域包括ケアシステムを構築していく必要があると考えますが、今後の人材の活用の認識についてお伺いいたします。 ○議長(北良晃君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) 認知症サポーター養成講座につきましては、平成29年度末現在で約1万7900名の方が受講され、学んでいただいた知識をもとに地域や職場で活動いただいております。 今後、全国的にも介護人材の不足が見込まれ、将来にわたりより専門的なケアが必要な方へ、適正にサービスが提供できる状況を維持できるかどうかということが大きな課題となっており、その中におきましては、認知症サポーター養成講座を受講された方など、より多くの市民の皆様に御協力をいただき、利用の状況に応じて介護保険サービス以外の選択肢として、地域での福祉サービスを創出していくことが重要だと考えております。 そのため、地域包括支援センターと生活支援コーディネーターが連携し、地域での支え合いの仕組みづくりを進めているところでございます。 ○議長(北良晃君) 鍵田君。 ◆31番(鍵田美智子君) この1万7900人、本当に大きな人数、そして家族や周りのために高い志で学ばれた方々です。この方々に奈良市は協力を求めない手は私はないと考えます。ぜひこの方々にも協力していただいて、地域での支え合いの中に協力していただける具体的な取り組みを早急につくっていただけるよう要望しておきます。 この質問の最後に、認知症高齢者が地域で安心して暮らすための体制整備について質問いたします。 認知症高齢者の徘回による不幸な事故もあり、今後、一層の見守りの体制整備の構築が重要であると考えますが、今後の取り組みについてお聞かせください。 ○議長(北良晃君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) 認知症高齢者の見守り体制でありますけれども、本市におきましては、平成27年度より、認知症になられても安心して地域で生活していただけるように安心・安全“なら”見守りネットワーク事業という事業を実施しております。その事業の一環として民生・児童委員、また介護保険事業所、また警察などと連携し、所在不明になられた認知症の高齢者の方を早期に発見するためのネットワークを展開しております。 今年度は、より多くの市民の皆様に認知症を正しく理解していただき、いざというときに御協力いただくことが重要だと考え、地域包括支援センターが中心となり、徘回模擬訓練を市内の全域でも実施を予定いたしております。それらのことを通して、地域全体での見守り体制を構築してまいりたいと考えております。 また、現在行われております地域の活動者による自主的な見守り活動とも連携を図るなど、より一層の見守り体制の強化に取り組んでまいりたいと考えております。 ○議長(北良晃君) 鍵田君。 ◆31番(鍵田美智子君) この質問の最後に意見を申し上げます。 地域包括支援センターの機能強化のための有識者委員会設置、早急に設置していただくよう要望します。 そして、ようやく徘回模擬訓練を全市的に行えるようになったこと、本当に評価したいと存じます。ぜひ防災訓練同様、この徘回模擬訓練を全市的に毎年必ず行えるよう要望しておきたいと存じます。 今後は、市内全域でのさらなる見守り体制の強化を構築されるよう要望し、また本年4月に権利擁護センターや在宅医療・介護連携支援センターの開設をされましたが、市内13圏域のサービスの標準化や是正を図っていく上で、現場の介護関係職員の方々は、基幹型包括支援センターの設置を望んでおられます。やはり地域包括ケアシステム構築のために、基幹型センターの設置を強く要望しておきます。 次に、環境関連で質問を始めます。 近年の地球温暖化による異常気象や気候温暖によるさまざまな変化は、市民生活にも影響が出ております。地球温暖化との関連を正しく立証することは難しいところですが、国内の平均気温は、気象庁の観測では100年間に約1.2度のペースで上昇し、それに伴うように35度以上の猛暑日も多く見られるようになりました。 こうした背景から、異常気象や農作物の減少といった被害を軽減する対策、適応策に関する計画を策定し、対策を考えていく自治体が相次いでおります。本市も、平素から奈良ブランド米、イチゴの古都華など、地域ブランドに力を入れておりますが、適応策についての考えを市長にお伺いいたします。 ○議長(北良晃君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) 地球温暖化対策についてでございますが、本市では、これまで温室効果ガス排出削減対策として節電、また再生可能エネルギーの利用などにより、温暖化の進行をおくらせるいわゆる緩和策を進めてきました。 一方で、温暖化に伴って豪雨や土砂災害、さらには熱中症や感染症の増加、農作物の収穫量の減少などの被害ももたらされております。 今国会におきましては、こうした状況を踏まえ、これらの被害を回避、軽減する対策として気候変動適応法が成立したところでございます。この法律は、自治体が地域気候変動適応計画の策定に努めることを求めているものでございます。 これまで本市におきましては、第2次奈良市地球温暖化対策地域実行計画におきまして、この適応策の必要性について触れてきたところでございます。主な適応策といたしましては、豪雨・渇水・土砂災害等に備える治水対策や災害対策、熱中症予防や感染症対策が挙げられます。 これを機に、これまでの緩和策とこれからの適応策がまさに車の両輪となるよう、今後、国や県の計画も踏まえながら、本市の適応計画の策定に向けた検討を進めてまいりたいと考えております。 ○議長(北良晃君) 鍵田君。 ◆31番(鍵田美智子君) EUでは、ことしの1月、2030年までに使い捨てのプラスチック容器包装を域内でゼロにする目標を掲げたプラスチック戦略を表明し、先月末には、ストローなど使い捨てプラスチック製品を禁止する新ルールの提案が欧州委員会へ提案され、実現に向けた具体策が示されました。その背景にあるのが、プラスチック廃棄物の主要な受け入れ先となっていた中国が、環境規制を強化し、輸入禁止に踏み切ったことによるものであることは御承知のことであると思います。 そこで、まず廃プラの処理費用の現状についてお伺いいたします。 ○議長(北良晃君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) 廃プラの処理費用の現状でございますが、家庭から収集いたしました年間約4,000トンに及びますプラスチック製容器包装につきましては、汚れのひどいものや異物などを取り除いて圧縮・こん包した後に、容器リサイクル法の規定により、再商品化業務を行う者として指定されました日本容器包装リサイクル協会、いわゆる容リ協に委託し、国内の工場において新たなプラスチック製品の原料、またコークス炉の化学原料などに再商品化されているところでございます。 平成29年度における圧縮・こん包業務を行うプラスチック製容器包装減容処理業務委託料につきましては、金額といたしまして1億6447万8464円、そして再商品化をするための業務委託料としては154万8249円となりまして、合計で1億6602万6713円が29年度の処理費用となってございます。 一方で、収入のほうでございますけれども、従来よりプラスチック製容器包装の再商品化に要した費用が想定の費用を下回った場合には、その差額の2分の1が容リ協から市町村側にいわゆる拠出金という形で配分をされるわけでございますけれども、いわゆる入ってくるほうにつきましては、28年度分の実績として787万7864円でございました。 また、容リ協の試算によりますと、平成26年度から28年度の実績をもとに算出される想定費用を、中国の廃棄物輸入規制の強化などの影響を受けまして、実際の再商品化に要した費用が上回る見込みとなりますことから、平成29年度分の再商品化合理化拠出金による収入は見込めない状況にあるという試算でございます。 ○議長(北良晃君) 鍵田君。 ◆31番(鍵田美智子君) これ、いよいよ本当に行政も、また市民もしっかりとこの情報を捉えて覚悟しないといけませんよね。リサイクルを市民の皆様と協力して行っても、実質的には処理費用がおよそ1億6602万円かかって、本市の歳入にはいよいよ見込めない時代が到来したということであります。リサイクル商品の落札単価が低下したから、本当にもう30年度からは歳入としては800万円に近い金額が見込めなくなった、こういうことです。 次に、廃プラの処理を中国が禁止に踏み切った理由は、プラごみの中のレジ袋の選別が困難であり、残渣物からの環境汚染に対し、国として受け入れを禁止することに至ったことが挙げられます。 本市は、今年度、雑紙の回収にも力を入れておられますが、世界的な流れから見ても、このレジ袋の削減に向けて、いま一度、本腰を入れて市民の皆様や事業者の方へ協力をお願いする時期に来ていると思いますが、市長のお考えをお聞きします。 ○議長(北良晃君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) いわゆるスーパー等でのレジ袋の削減をしていく取り組みでございますけれども、これまでもレジ袋の大量消費、大量廃棄、またそれに伴うレジ袋の製造や焼却処分による温室効果ガスの排出を抑制することを主眼に置きまして、循環型社会の形成とごみ減量を目指し、レジ袋の無料配布を中止するように消費者や事業者への協力の要請を行ってきたところでございます。ちなみにレジ袋の無料配布を中止されている市内の店舗は、平成25年度末のときには約15%でございましたが、現在は約34%まで広がってきております。 市といたしましては、このレジ袋の無料配布を中止する店舗をさらに広げていくために、消費者への訴えかけと同時に、事業者に対しても強い働きかけを行ってまいりたいと考えております。 ○議長(北良晃君) 鍵田君。 ◆31番(鍵田美智子君) 消費者への訴えかけ、もちろん大切なんですけれども、本当に市としてこのことをどうするのか、明確な考えをやはり現実に持ち、それを行動に移すことが、もう今、来ているように感じています。ぜひこの点も英断を持っていただきますようにお願いしたいと存じます。 日本のごみ処理は地区内処理が基本です。自分の出したごみは、自分たちで処理をするのが当たり前になる。奈良市においても、レジ袋の削減から始まり、ごみを出さない暮らしへの考え方への転換、本市も強い姿勢で取り組んでいただき、市民にも理解を求めていただくよう要望しておきます。 議案第68号の奈良市附属機関設置条例の一部改正についてお伺いします。 市民共同発電所設置についてですが、平成30年度予算編成において、重点項目の一つとして説明をされ、その予算が承認されました。 この事業の狙いと本年度の実績をどこまで計画されているのかお伺いいたします。 ○議長(北良晃君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) 奈良市市民共同発電所補助事業につきましては、老人ホーム等の公益的な施設において、太陽光発電設備と蓄電池設備を設置する公益的団体に対しその事業費を補助するものでありまして、補助対象経費の10%以上の寄附を10者以上の市民などから集めること、また地球環境活動を実施することや、防災拠点として活用することなどを主な条件といたしております。 本事業の狙いといたしましては、第2次奈良市地球温暖化対策地域実行計画に掲げております再生可能エネルギーの促進施策としてだけではなく、事業資金の一部を市民からの寄附により賄うことや、設置した設備を施設の開放などの形で地域へ還元することなどにより、環境教育や防災などへの波及効果も期待できるような、公益性が高くオープンな事業となることを狙っております。 なお、本年度につきましては、件数としては2件の補助を予定いたしているところでございます。 ○議長(北良晃君) 鍵田君。 ◆31番(鍵田美智子君) 奈良市市民共同発電所補助申請者に対し、事業費のうち市民からの寄附を10者以上集めること、大きな意義があると思います。しっかりとこの市民参加の意義を広めてください。 本市は、本庁舎耐震化基本構想により平成30年度は実施設計に当たられますが、長寿命化の方向性は市民サービスの質的向上のための再整備、安全・安心な施設環境を維持するための設備機器の更新、建物の耐久性を高めるための対策とあります。 この実施設計に当たり、奈良市地球温暖化対策庁内実行計画における環境配慮に関する建築資材の選定等、どのようなことを求められているのかお伺いいたします。 ○議長(北良晃君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) 本庁舎の耐震化に係る環境配慮についてでございますが、市役所が行う事務事業における温暖化対策の方針につきましては、本年3月に第4次奈良市地球温暖化対策庁内実行計画を策定いたしております。その中で、市の施設の建設や改修、管理における環境配慮事項といたしまして、エネルギーや資源の有効活用、周辺環境への負荷の低減などを設計段階から配慮、検討するように求めております。 具体的には、建物の断熱性の向上、また個別冷暖房化、さらには太陽光発電設備などの導入の検討などでございまして、設計時点で配慮すべき幾つかの項目を挙げさせていただいております。 今回の奈良市本庁舎耐震化基本構想の中におきましても、それらの項目について検討することといたしており、できる限り環境に配慮した設計を実施することで、結果として市民サービスの質的向上や、安全・安心な施設環境の維持に寄与するものと考えております。 ○議長(北良晃君) 鍵田君。 ◆31番(鍵田美智子君) この第4次奈良市地球温暖化対策庁内実行計画、これは、例えば新斎苑建設計画もそうですし、また老朽化している施設の改修に関しても、ほとんどの箱物に対して持つべき計画であります。どうぞこの考え方をこの計画の中心に据えて、奈良市の計画のほうを持ってくださるように要望しておきます。 低炭素社会の実現に向けては世界基準ができつつあります。行政としても国の後追いをするのではなく、市民とつくる奈良市政の中で、きちんとした奈良市の姿勢を、本市みずからが見せていただきますよう意見をしておきます。 次に、クリーンセンター建設計画について数点お伺いいたします。 クリーンセンター建設計画については、我が会派では、かねてから一刻の猶予もないことを指摘させていただいております。これまでに、最も早く新施設の稼働が見込める現地建てかえの手法についても提案をしてまいりました。その際、どれだけ時間がかかるかわからない広域化については、検討する余地のないことをあわせて指摘をしておりました。市からは、スケジュールも明確にせず、広域化のメリットだけを一方的にお答えいただいたように受けとめています。このままでは、何も進まず、市民が迷惑をこうむることになります。 老朽化した環境清美工場はいつ大規模な故障を引き起こすかわからない。近い将来にも予想される大地震が起これば、工場の建物が崩壊する危険もあります。このようなことでごみの焼却処理がとまり、奈良市のまち中にごみがあふれるような事態だけは避けなければなりません。 今回は、環境面からの質問も含めて、こうした背景から市長にお伺いしております。 奈良市では、今年度から市民共同発電所事業を始めるとのことです。太陽光パネルを市民と事業者の協力で設置し、再生可能エネルギーの利用促進を図るとのことですが、環境清美工場では、熱資源であるごみからのエネルギー回収はほとんどなされていないのが現状です。最新のごみ処理施設は、ごみを焼却処理するだけではなく、発生する熱を回収して発電するなどエネルギー回収拠点、いわばごみ発電所として位置づけられておりますのに、奈良市の環境清美工場では、場内給湯のみでほとんど熱利用がされていない現状であり、施設の老朽化が進み、新しく発電タービンをつける余地もないとのことであります。 家庭から出た燃やせるごみも有効活用すべき資源の一つなのに、ただ燃やして灰にしているだけで、利用できる熱資源、回収すべき熱エネルギーを全く無駄にしていることになっております。 市長は、市民共同発電所設置の一方で、この資源を無駄にしていることの矛盾についてどう考えておられるのでしょうか。 ○議長(北良晃君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) 現在の環境清美工場におけます熱利用につきましては、場内の給湯利用にとどまっております。過去には、隣接する奈良市総合福祉センター内の温水プールに熱供給をしていた経緯もございますが、施設が老朽化しており、現在は焼却による余熱利用はしておらず、ごみを熱源とする発電等のエネルギー回収もできていないという状況がございます。 一方、市民共同発電所は、主に太陽光パネルによる再生可能エネルギーの利用を想定したものでありますが、燃やせるごみも一定の組成で再生可能エネルギーと認められており、一日も早く新しいクリーンセンターの施設を稼働させ、効率よくごみ発電を実現し、資源の有効活用につなげるよう努力してまいりたいと考えております。 ○議長(北良晃君) 鍵田君。 ◆31番(鍵田美智子君) 左京での現地建てかえの理解を得るには、当然、公害調停の問題を乗り越えなければいけないのはよくわかっております。他会派や我が会派からこれまでにも主張がありましたように、時代や技術革新が進んでごみ処理施設はエネルギーの回収拠点となっており、このメリットを生かして周辺のまちづくりを進めることは、施設周辺住民の方々にも理解してもらいやすい話であり、合意形成の有効な進め方ではないかと考えています。 そこで、地元の方々と一緒になって、新クリーンセンターのメリットを生かしたまちづくりなどを、ポジティブに話し合う場を設けるような取り組みを行うことはできないのかと考えておりますが、その点、市長はどのようにお考えでしょうか。 ○議長(北良晃君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) まちづくりの話し合いの場は、住民の方々にも、行政にも有効な進め方であると私も理解しております。エネルギー回収拠点となる新施設を核としたまちづくりをテーマに、ゼロから自由に議論を始めるワークショップのような形は夢もある話でもありますので、理想的な取り組み方だと思っております。 一方で、左京地区におきましては、公害調停もあり、一方的に進めることは困難でありますが、今後、どこで建設をするにしましても、新しい施設につきましては、熱利用ということができますので、住民の皆様の御理解を深めていただくための営みの中で、地域の将来像、将来のまちづくりということにつきまして皆様に話し合っていただき、意見をお出しいただくということが方法論として非常に有効であると認識いたしております。 ○議長(北良晃君) 鍵田君。 ◆31番(鍵田美智子君) 最後に、意見と要望を申し上げます。 広域化は解決すべき課題が多く、遠回り過ぎて、せっぱ詰まった奈良市のごみ処理施設の更新に間に合わなくなることを我が会派は一番おそれております。今、残された道は、新施設の持つメリットを最大限訴えて、周辺住民の多くの方にわかっていただくことで、現地建てかえについての地元の御理解を得ることが、結局は一番の近道ではないかと考えております。 環境のこと、ごみ処理のこと、両立の道は探せば必ず見つかるはずです。市長の賢明な決断を期待しております。 次に、文化財の保存に関する質疑を数点行います。 本年は、世界遺産「古都奈良の文化財」が登録されて20周年となります。奈良市には、このほかにも国内外に誇る多くの文化財が残されています。これら文化財は奈良の先人たちがその貴重な価値を理解し、現代の私たちにしっかりと引き継いでくださったものです。言いかえれば、私たちは、これらの文化遺産を先代からお預かりしているのであり、次の世代へと引き継ぐ責務があると言えましょう。 さて、このたびの第196回通常国会におきまして、文化財保護法及び地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律が成立し、平成31年4月1日には施行される運びとなりました。この改正は、文化財の保存と活用をより明確にするための基盤を示したものであります。保存と活用をいわば車の両輪と捉え、相互の補完によって文化財を次世代に継承していこうとする考えが示されたものでもあります。 この改正の大きな柱として、文化財の今後の継承にかかわり、文化財をまちづくりに生かしつつ、地域社会全体で取り組むことが必要とされている現状にあり、景観、まちづくりや観光行政との総合的なかかわりの中で、文化財保護行政を推進していこうとする考え方が示されております。 それは、現在、教育委員会が所管する文化財保護に関する事務を首長部局においても担当することができるとするものであります。 奈良県におきましても、この法改正の動きと呼応するように、平成30年3月には、これからの文化財保護体系素案の取りまとめがなされ、平成31年度には文化財保護行政の所管を首長部局に移行する動きを進めておられます。 奈良市においては、このような法改正の流れの中で、今後、文化財保護に関する所管をどのように位置づけていこうとされているのかお聞かせください。 ○議長(北良晃君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) 文化財保護法の改正を受けて、文化財保護行政をどういう体制でやっていくかということでございますが、今回の法改正の趣旨につきましては、地方での過疎化、少子高齢化などを背景として、地域の文化財の滅失や散逸が課題となっている状況の中で、行政、民間を問わず、地域社会が総がかりで文化財を活用し、その継承に取り組む体制をつくり上げるところでございます。 本市におきましては、かねてより教育委員会が主体となり積極的な文化財施策を展開しており、これに加えて、市長部局と教育委員会が垣根を越え、それぞれの部署が連携協力しながら、文化財の継承、観光振興、まちづくりの取り組みを一体的に進めてきたところでございます。 本市といたしましては、今後もこの体制のもとで、より一層効果的な文化財の保存と活用への取り組みを行うことが可能であると考えているところでございます。 ○議長(北良晃君) 鍵田君。 ◆31番(鍵田美智子君) 文化財保護法の改正の中で、もう一つうたわれていることがあります。それは、文化財の保護継承に当たっての地域社会のかかわりについて、より主体的な取り組みが必要であるとの考えが示されております。 奈良市におきましても、少子高齢化の流れの中で、これまで文化財を守り育ててくださっていた地域の共同体、人材の減少が顕著になっており、今後の継承が危惧されているところです。その中でも、それぞれの地域において、祭りや伝統芸能などのいわゆる無形文化財の継承を担っていた人材確保が困難な状況はより顕著になってきています。 今回の文化財保護法改正の大きな趣旨が、保存と活用を両立させることによる文化財継承の仕組みづくりにあるということは、先ほど申し上げました。改正法の中では、この継承の仕組みとして、市町村は、地域での文化財の保存及び活用に関する総合的な計画を策定し、文化庁長官の認定を申請できるとされています。そして、その保存活用地域計画を策定するに当たって、協議会を組織することができることが示されております。このことは、地域における文化財の継承に当たって、行政だけでなく、地域が一体となって取り組んでいくことが重要であることが示されたものであります。また、この協議会の設立がこれまでの地域の枠にとどまらず、また新しいコミュニティーを生み出していくことにつながるとも考えます。 本市としても、地域が主体として文化財を継承していくために、このような新しいコミュニティーの育成が必要であると考えますが、取り組みについてのお考えをお聞きします。 ○議長(北良晃君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) 今回の改正文化財保護法につきましては、やはり地域社会が総がかりで文化財の継承に当たっていくことが必要だと示されております。特にこれまでも所有者や地域住民、文化財保存団体、また行政などによりまして継承の努力がなされてきたところではありますけれども、ますます加速化する地域コミュニティーの衰退や縮小が、今後の文化財の保存に大きな影響を与えるものだと考えております。 そのため、所有者、行政だけではなく、各地域で活動されている地域住民、NPO等の団体、観光、また商工にかかわる団体など、多様な主体がともに推進役となり、地域が一体となって取り組む新たな枠組みをつくることが極めて重要でございます。 このような活動の枠組みとして、今回、法改正で新たに示されました文化財保存活用地域計画策定のために組織される協議会につきましては、御指摘のように大変有効な手段であると考えております。 これからの文化財継承に当たりましては、この協議会を初め、保存と同時に保存につながる積極的な活用策を生み出すことができる、新たなコミュニティーの育成が必要だと認識をいたしております。 ○議長(北良晃君) 鍵田君。 ◆31番(鍵田美智子君) 最後に、意見を申し上げます。 本市の現在における文化財保護行政の体制は円滑な状況にあるということを理解できました。法律の改正に見られますように、急激な社会の変化が今後も予測されます。準備を怠らないよう要望しておきます。 次に、観光についてお伺いいたします。 本市の主要な産業は、昔も今も観光が主であり、もちろん観光立国としても奈良市は国際文化都市として世界から訪れたくなるまちの一つであり、外国人観光客も多く来訪されておられます。その観光客のごみの問題や文化遺産の保存の問題にとどまらず、この地に暮らす住民の足である電車やバスの混雑、道路の渋滞などが目に余るようになってきているのではないでしょうか。 国は、2020年に訪日客を4000万人にふやす目標を掲げて、奈良市でも大型のホテル建設、宿泊施設の増加が予想されています。このまま来てほしいだけのインバウンド事業だけを考えてよいのでしょうか。 市長は、市民の目から見た生活と静かな暮らしやすいまちづくりを目指すための観光行政とのバランス、どのようにお考えなのかお聞かせください。 ○議長(北良晃君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) 奈良市は、国際文化観光都市として国内外から約1500万人の観光客をお迎えしており、議員御指摘のように、観光関連産業が市の基幹産業の一つでございます。今後もさらに国内外からの観光誘客に努めているところでもございます。 一方で、市民の側に目を移しますと、安全・安心で快適な市民生活を維持すること、これも同時に行政が果たすべき重要な命題であると考えております。 また、現在の奈良観光を支えているものは、豊かな自然、そして歴史的文化遺産でございまして、これは先人たちの長きにわたる日常生活の中で守り育ててこられたものであり、そういった意味でも市民生活と観光との調和は不可欠であると考えております。 奈良市に住む市民の皆様、そして奈良市を訪れる観光客の双方が、奈良市がすばらしいまちだと感じていただけるようにするためには、生活の安全・安心の確保と地域経済の活性化の両立を目指していく施策が重要だと考えております。 ○議長(北良晃君) 鍵田君。 ◆31番(鍵田美智子君) 商業地では、インスタ映えする看板や、いいねを交流サイトで多く集めたお店の前では、行列が絶え間なく続いています。企業努力をされている事業者に物を言うのではありません。環境に注目したエコツーリズムは、観光先進国の欧米では大変理解しやすい概念で、例に挙げますと、宿泊施設の問い合わせに施設状況、価格、環境基準、職員の労働基準まで尋ねられるケースがあるくらいです。 国際基準であるSDGsへの配慮が足りないと、観光立国へのブレーキにもなりかねない時代を迎えようとしていますが、東京オリンピック・パラリンピックを間近に控えて、本物の国際文化観光都市としての姿勢が求められるところですが、市長の所見をお聞かせください。 ○議長(北良晃君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) 2015年9月の国連サミットで採択されました持続可能な開発目標、いわゆるSDGsにつきましては、誰一人取り残さない持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現に向けまして、2030年を期限に17の国際目標を定めたものでございます。特に、地域の文化や産業の振興につながる観光業につきましては、地域経済の持続的成長と資源の保全、活用に貢献することから、観光による恩恵の活用は目標達成に重要であると言われております。 また、エコツーリズムにつきましては、自然環境や歴史文化など、地域固有の魅力を観光客に伝えることで、そのすばらしさを認識してもらうとともに、保全活動や地域活性化につなげていくことも含まれております。 豊かな自然と歴史文化を持つ奈良市にとりまして、いずれも不可欠な考え方であると認識いたしており、世界遺産である古都奈良の文化財が登録20周年を迎えることを契機に、改めて奈良の持つ魅力を国内外に発信しながら、その保全、活用と地域経済の持続的な成長につなげてまいりたいと考えております。 ○議長(北良晃君) 鍵田君。 ◆31番(鍵田美智子君) 2020年度までは、オリンピック開催までインバウンド事業の伸びも見込まれますが、問題はその後です。消費増税も2019年10月に予定されており、消費の冷え込み等、本市が考えなければいけない重要な責務は、その先にある基盤を今のうちにどのように構築していくのか、その点にあると考えます。市長のお考えをお聞かせください。 ○議長(北良晃君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) 東京オリンピック・パラリンピックの開催後につきましては、世界から注目される日本文化の原点として、特に奈良の存在感を世界にしっかり発信していくことが、奈良市の成長戦略にとって大変重要だと考えております。そして、観光産業の発展によって市内で着実に消費と雇用が生まれ、まちの活力となっていかなければならないと考えております。 観光庁の推計によりますと、訪日外国人のリピーター数は、2012年の528万人から2017年では1761万人とリピーターが大きく増加していることもあり、訪日回数が多いリピーターほど消費額も高くなっているというデータがございます。このことから、外国人観光客の誘客につきましては、新規市場の開拓とともに、リピーターをふやすことで消費額の増につながるように取り組んでいくことが重要だと考えております。 また、平成28年の国内の観光消費に占めるインバウンドの割合は13.6%であり、国内旅行のシェアが依然として8割を超えているという意味では、インバウンドももちろんでありますけれども、やはり引き続き国内の観光客の奈良での滞在時間の延伸、また消費額の増大ということも欠かせない取り組みだと考えております。 以上のような視点に立ちまして、民間の事業者の方々とも連携を図りながら、これまで以上に奈良の真の基幹産業としての観光産業をより充実させてまいりたいと考えております。 ○議長(北良晃君) 鍵田君。 ◆31番(鍵田美智子君) 市長、残念ですね。もう少し率直に語っていただきたかったです。数字の羅列や現況をお聞きしたかったわけではありません。 消費増税も予想され、オリンピック開催後の消費の落ち込み、容易に予想されています。本市がこのことに対してどのように準備をし、立ち向かっていくのか。奈良の真の基幹産業として観光産業をより充実させ、発展させるに当たって、民間の事業者の方々との連携をどのように図るのか、もう少し具体的にお聞きしたかったです。ぜひ十分な時間がまだありますので、準備のほうをお願い申し上げたいと存じます。 交通政策、1点だけお伺いいたします。 本市では、観光シーズンの慢性的な渋滞で環境に優しい交通体系等、交通、環境における課題に対して大変問題が多く出てきております。 先ごろ、本市では、モバイク・ジャパンの事業展開に協力をし、専用駐輪場のサイクルポートの設置協力等を行われました。市民環境委員会でも質疑させていただきましたが、広域での周遊観光、新たな移動ツール、ひいては観光の拡大、滞在時間の延長、そして観光消費額の増加につながるものとして導入されたと副市長からの答弁をいただいております。 奈良市内中心部の慢性的な観光シーズンの道路の渋滞状況、交通空白地での移動手段の確保、目的とするところはよくわかりますが、残念ながら、本市の自転車の走行環境の整備には、これまで未整備に近い状況で今日に至っていると理解をしております。 市長、今後、この自転車を取り巻く環境整備をどのように行っていくおつもりがあるのでしょうか、お伺いいたします。 ○議長(北良晃君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) 今回のモバイクとの連携も含めまして、市としても国が示している自転車活用推進法の趣旨に沿いまして、やはり独自の自転車施策をさらに進展させていかなければならないと考えております。 特に、地域住民の利便性ということもありますけれども、観光面につきまして自転車を活用した観光政策というものは、近隣の他の自治体でも、今、取り組みが進んできているところでもございますので、今後、市としても必要な施策を具体的に検討してまいりたいと考えております。 ○議長(北良晃君) 鍵田君。 ◆31番(鍵田美智子君) この交通施策に対して意見を申し上げます。 本市には、自転車施策の考え方を示した総合的な計画と呼べるものがないことは委員会で明らかにしております。その際、国における自転車活用推進法が平成29年5月に施行され、今後、自転車活用推進計画を区域の実情に応じて定めることとされています。 奈良市では、自転車事故の死亡件数、毎年必ずあります。たとえ観光面からの視点でモバイクを導入したとしても、国内外から訪れる旅行客の安全面、また何より市民生活の視点から考えても、抜本的な対策を急ぐ必要があると考えます。自転車を使った交通手段を否定するものではありません。自転車を利用した走りやすい道路整備がされていない限り、事故の危険性がふえるだけです。本市としての考え方、早急にお示しし、県と連携した区域の実情に応じた自転車活用推進計画の制定と、道路整備などの具体的な環境整備を行う必要性があることを指摘しておきます。 最後に、国際映画祭について質問いたします。 議案第67号、平成30年度一般会計補正予算の文化振興費、なら国際映画祭開催補助費について数点質問させていただきます。 各会派から質問もあったと思いますが、私ども会派は3月の当初予算提案の際、高額な補助金支出の整合性について質疑をさせていただきました。その後、奈良市は、性急な動きではありましたが、文化振興計画推進委員会を開催され、公開の場で映画祭実行委員会による企画説明を受け、委員の立場からも苦言やさまざまな意見が出されました。私自身もその企画説明を直接拝聴させていただきました。 その中で重要だと感じたことは、この事業が都市文化推進事業の中でもとりわけ国際発信型に位置づけられたことです。日本では、映画を文化として捉える下地がまだ欠けている気がしますが、そのうちの一人として私自身もいたように思います。映画祭が奈良市に何をもたらすのかという発想でしか文化を捉えられない限り、国際発信を奈良から行っていく意義は理解できないでしょう。ましてや、文化振興計画推進委員の発言にもありましたが、社会的福祉の思想では、都市アイデンティティーを発信する映画祭のような事業は理解されにくいとの発言にも共感したところであります。 そこで、今回策定した新しい要項に沿って、1000万円を上限とする文化振興補助金を計上されましたが、今後、世界から見た奈良市において、この映画祭のような発信力のある個別事業、また次世代の若者を育てていくための国際型の文化発信事業を創造していくことを、これからも奈良市は目指されるのでしょうか、お伺いいたします。 ○議長(北良晃君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) 5月14日に開催されました文化振興計画推進委員会での審査の際に、なら国際映画祭実行委員会から、映画祭開催の本当の意義は、奈良の人たちに映画祭を自分たちの継続的な活動の場にしてもらうことである。誤解をおそれずに言うのであれば、映画祭でなくてもそれが心の中を表現し、生きる力になっていく文化の場であれば、若者は奈良を離れずに済むのではないかということを強く感じているという発言があったと聞いております。 映画を初め多種多様な文化や芸術には、それぞれの持つ魅力、影響力、発信力が兼ね備わっており、それらは世界のさまざまな文化との交流を生み出すとともに、新たな文化の創造の源にもなります。 このことから、本市は、なら国際映画祭のように次世代を担う若者の自発性を尊重しながら、多様な文化芸術活動に積極的に参画できる機会と、ジャンルを越えて豊かな感性を育むための土壌の充実に今後も取り組んでまいりたいと考えているところでございます。 ○議長(北良晃君) 鍵田君。 ◆31番(鍵田美智子君) この映画祭については、なら国際映画祭のエグゼクティブディレクターである河瀬直美さん、実行委員会の皆様が、現在、奈良市の若者や次世代の方への思いが大変深くあり、そして奈良への強い思いを持っておられるからこそ成り立つ事業であるということを私自身は拝聴したときに感じました。 奈良市として、この国際型の文化発信事業を今後どのように発展させていくおつもりなのか、最後に市長にお聞きします。 ○議長(北良晃君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) 今後、どのように国際型の文化発信事業を発展させていくのかということでございますが、なら国際映画祭のように民間の自由な発想を最大限に活用することは、多様化、高度化するニーズへの対応につながるとともに、本市の魅力を国際的に発信する可能性も広がるなど、民間と協働で行うことも必要であることを示しております。 一方、本市独自の事業としては、東アジア文化都市事業の後継事業として、現在、奈良市アートプロジェクトや日中韓交流事業を実施しております。特にアートプロジェクトでは、次世代を担う中学生、高校生を対象に、奈良を題材とした演劇をプロの演出家とともにつくり上げることで、奈良を自分の言葉で語ることができる人材の育成を行い、若者がまちの魅力を再認識、再評価する機会でもございます。 また、美術部門では、椿井小学校の1・2年生がならまちセンターの館内に作品を飾ったり、また芝生広場でのワークショップを行うなど、アートによる創造性を学びに向ける活動も実践しております。 このような地道な取り組みや民間活力を生かした事業をバランスよく継続して行うことが、歴史に培われた奈良市において、新たな文化芸術による可能性を発展させるための原動力となり、本市の都市文化の向上につながっていくものであると考えております。 ○議長(北良晃君) 鍵田君。 ◆31番(鍵田美智子君) 最後に、会派として意見を申し上げます。 私自身は河瀬さんとは面識がありません。これまでの映画祭の審議を私が現職になってからさせていただいたのですが、そのときの私自身の立ち位置は、映画祭というような文化事業を、市民に理解がまだ本当に深められていない中で市税を投入していいのか、その思いから私は一等最初、審議したように記憶しております。その後、今回、3月で予算審議をしましたときに、やはり自分の中のこの映画祭に対する目線というのをしっかりと情報をとって、また私自身も足を運んで、この会議も自分自身で生のお声をお聞きし、しっかりと判断しなければ、この文化的事業というのを私自身も理解できないなという反省点がありましたので、傍聴させてもらいました。 この事業者に対して根拠を示すことを議員として要求するならば、私自身もしっかりと賛成するなら賛成する、反対するなら反対する、たくさんの情報を集めてしっかりと自分の中で曇りのないジャッジをしなければいけないと、そのように思いました。その中で、河瀬氏の奈良に対する思い、そして子供たち、これからの未来の奈良市を背負って立つ若者に対する思い、そして奈良に対して思ってくださる思い、本物だなと率直に感じました。 この国際発信型事業を継続することが奈良の魅力の発信につながり、今後も奈良からいろいろな文化が発信できるなら、それはそれでありがたいことですが、若い世代は奈良から出ていき、優秀な人材も都市圏で活躍されているのが現実的なところであります。今、奈良市のために個人の力、また思いで奈良発の文化事業を世界的に発信して行っていただける力をお持ちの方がいるなら、活用させていただかないほかはないとプレゼンを聞いて感じました。 今回、文化振興計画推進委員の方も苦言を呈されましたが、疑念の湧かない説明責任を果たせる事業の成果報告を、見える化や数値化によりこれからはしっかり行っていただき、疑念の湧かない事業としてしっかりと奈良市も提案していただけますように要望して、会派の質問を終わります。ありがとうございました。 ○議長(北良晃君) お諮りいたします。 本日の会議はこの程度で打ち切り、明15日午前10時より本会議を再開して、質疑並びに一般質問を行いたいと思いますが、そのようにいたしまして御異議ございませんか。   (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長(北良晃君) 異議なしと認めます。 よって、そのように決定いたします。 本日はこれで散会いたします。   午後4時28分 散会----------------------------------- 地方自治法第123条第2項の規定によりここに署名する。              奈良市議会議長   北 良晃              奈良市議会副議長  三浦教次              奈良市議会議員   林 政行              奈良市議会議員   柿本元気              奈良市議会議員   井上昌弘...